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 中国の結婚式

 中国の結婚式は、新郎が花などで飾り付けした車で新婦の実家に新婦を迎えに行くことで始まります。その際に新婦の親族や友人は新婦を連れて行かせないように、新婦の靴を隠したり、新郎に様々な質問をして邪魔をします。新郎は新婦を見つけると新婦に靴を履かせます。これは、「これからも一緒に歩いて行く」という意味がこめられています。その後、新郎新婦は餃子を食べます。餃子は発音が「交子」(子を授かる)と同じことなどから、子孫繁栄の縁起物として食べられています。
 式場に到着したら日本と同じように指輪交換やケーキカットを行います。しかし、日本と大きく違うのは「敬茶(ティーセレモニー)」や「交杯酒」があることです。敬茶とは新郎新婦が感謝の意をこめて両親にお茶を捧げる習慣です。お茶の中には、ナツメや菊花、ロンガンなど縁起の良いものが入っています。交杯酒とは、新郎新婦が自身の手を交差させてお酒を飲み干す習慣です。交杯酒は秦時代に始まり、長く行われてきました。時代の流れとともに形式などは変わっていきましたが、意味は変わっていません。それは「二人の結婚が末長く続きますように」という意味です。

 
 韓国の結婚式

 韓国の結婚式は、新郎が新婦の家に行くところから始まります。その際に新郎は、雁(かり)という鳥の木人形を赤色の風呂敷に入れて持っていきます。雁という鳥は一度縁を結ぶと生涯別れることがないので、二人が永遠に結ばれるように願いを込めて新郎から新婦に送られるようになりました。
 韓国の結婚式では、「ペベク」と呼ばれる儀式を行います。元々は、結婚式が終わった後に新郎の家で新婦を歓迎する宴が開かれ、3日後に新郎の家に入るしきたりがあり、それを「ペべク」と呼んでいましたが、現在では新婦が嫁ぎ先の舅や姑に挨拶することを「ペべク」というようになりました。ペベクは結婚式後にペベク室という部屋にいき、ペベク用の衣装に着替えて行います。ペベクの流れは、新郎新婦が姑・舅に挨拶した後に、舅と姑が新婦の手を覆っている白い布にナツメや栗を投げます。これは「種」を新郎新婦に投げることで、子宝に恵まれますように、という願いが込めて行います。その後、新郎が新婦をおんぶしてペペク室を一周します。これは「新婦の一生を面倒見ます」という意思表示を表しています。

 
 インドの結婚式

 インドの結婚式は結婚式では、長くて豪華なのが特徴です。日本の結婚式は1日で終わりますが、インドでは様々な儀式があり、結婚式と結婚披露宴など結婚に関わる様々な儀式を行うと、さいたんで一週間、最長で1カ月もの時間がかかるのです。
 インドでは、新郎新婦は結婚式の1週間前から毎日全身にターメッリク(ウコン)を塗ります。ターメリックは神聖な植物として崇められているので、結婚式の前に体を清めるために行われる儀式です。この際、新郎新婦はターメリックを塗りこむため、お風呂には入りません。結婚式前夜には、新婦は「ヘナ」と呼ばれる植物を粉末状にしたものでからだに模様を書きます。これを「メヘンディ」と言います。ヘナは、幸運の女神ラクシュミーが最も愛している植物とされているので、メヘンディをすることで「嫁ぎ先で幸せになれる」と考えられています。また、メヘンディの模様にも意味があります。あるところでは孔雀は「富の象徴」を表します。もともと一つの模様に対する明確な意味の規定はなく、人や地域によって様々な意味を持っています。
 では、結婚式当日について紹介します。自宅から新郎は白馬に乗って結婚式会場に行きます。その後ろにはマーチングバンドなどが演奏しており、豪華なパレードを行います。夜中でもこのパレードは大きな音で行われます。その後結婚披露宴が行われ、結婚式になります。結婚式は親族内で行います。結婚式にはお坊さんがやってきて新婦の額に「お米」をつけます。これは食べ物に困らないようにという意味があり、他にもいろいろな儀式を行い結婚式は終了します。

 
 ナイジェリアの結婚式

 ナイジェリアの結婚式は初めにダンスで始まります。これは伝統的なダンスを神に捧げることで神聖な結婚式の開始を意味しています。ダンスが終わると、新婦は実父に注がれたヤシ酒(ヤシから採れる液体を醗酵させ作った酒)を手にして会場の招待客の中に紛れた新郎を探すのが習慣となっています。新郎新婦が2人でヤシ酒を飲み終わったら晴れて2人は夫婦として認められます。
 夫婦と認められた後、招待客は新郎新婦にお金を投げます。それは、お金が飛び交うのは富の象徴でもあり、新しい門出を迎えた2人が豊かに生活できるようにと願ってお金を投げます。甘いものが貴重品とされるナイジェリアではウエディングケーキも富の象徴として扱われます。
 ナイジェリアの人はとてもお祝い事が大好きなので、自分とは全く関わりのない赤の他人でも結婚式に呼んでしまうことがあります。また、ナイジェリアでは日本のように結婚席で独自の出し物をするのではなく、新郎神父を祝った後は各々がしたいことをします。なので、結婚式の会場で独身の男性が女性を口説き始めたり、ダンスや歌を歌うこともあります。

 
 マサイ族の結婚式

 マサイ族の結婚式は、マサイ族が聖なる木としているイチヂクの木の下で行われます。これは、イチヂクの木の下で愛を誓った二人は永遠に結ばれると言われているためです。イチヂクの木の下までは酋長(部族の長)とマサイ・ママ(酋長の妻)がそれぞれ手をつなぎ、一緒に歩いていきます。イチヂクの木に近づくとマサイ族の戦士たちが槍でアーチを作ります。そこが新郎新婦たちのバージンロードとなるのです。
 また、新郎の家に向かう際に、新婦とその親族にしきたりがあります。それは、新婦が笑うこと、しゃべること、後ろを振り返ることは許されず、新婦の家族の同伴は許可されず見送るだけ、というものです。これは、新婦と家族との別れを「悲しむ」というのがしきたりであるためです。新郎の村に着くと、新婦は村に入ることをためらいます。そうするとマサイ・ママが「牛をあげるから入りなさい」と言います。これは、マサイ族にとって一番大切な財産である牛をもらうことで、新郎の村でも自分を高く評価してもらうためのしきたりです。
 マサイ族の花嫁は、結婚式の日に歩けないほどたくさんのアクセサリーを身につけます。結婚している女性は、耳たぶに穴を開けて青いビーズの飾りやたれ飾りなどを吊るします。マサイの女性は普段から家の中でビーズ細工のアクセサリーを作っており、そのビーズには色ごとに意味があります。赤は血の色、青は神の色、緑は牛の餌となる草への感謝の色とされています。

 
 
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