睡眠と食品の関係
コーヒーなどの睡眠の妨げになる食品がある中、どんな食品が睡眠の質を上げてくれるのでしょうか。
- 玄米、肉類、カツオやマグロなどの青魚などには トリプトファンという栄養素が含まれるため良質な睡眠に繋がります。多くの食品から摂ることができるため、毎日食べるのは比較的簡単でしょう。
- 肉類や魚介類も グリシンという栄養素が多く含まれるため、睡眠の質の向上に繋がります。 例えばエビやウニなどはグリシンが豊富に含まれています。グリシンを摂取するためには肉類や魚介類を食べることはもちろん、 サプリメントなども多数販売されているため、眠れないならそれらを買ってみるのも一つの手でしょう。
- 発芽玄米も睡眠の質の向上に役立ちます。発芽玄米には GABAという栄養素が含まれているためです。
- 昆布やわかめなどの海藻類、豆腐、納豆などの大豆加工食品など、 マグネシウムを多く含む食品も睡眠の質を高めてくれます。
睡眠の質を向上させる栄養素
栄養素 | 働き・効果 |
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1. トリプトファン | 体内では生産できないため食べ物から摂取しなくてはならない必須アミノ酸の一種です。
そんなトリプトファンは、精神や感情の働きを落ち着け、和らげる効果のある セロトニンや 睡眠と覚醒を切り替える作用がある メラトニンを作るもとになります。 |
2. グリシン | 肉類・魚介類に含まれる、アミノ酸の一種である
グリシンは内臓部分の熱量を下げる働きがあります。
深部体温の低下は、睡眠の質を高めることにつながります。 |
3. GABA | 発芽玄米に含まれているアミノ酸の一種、
GABAは、抗ストレス作用や、神経の興奮を鎮める作用があります。
多くの睡眠薬にはGABAの作用を強める成分が配合されていることからも、睡眠における重要さがわかります。 |
4. マグネシウム | ひじきや昆布などの海藻類に含まれている
マグネシウムは、必須ミネラルの1つです。
体内の様々な酵素を活性化して、生体の維持に寄与する働きをしています。 |
カフェインと睡眠
寝る前にカフェインを含んだコーヒーやお茶を飲むと睡眠の妨げになると聞いたことがあると思います。しかし、飲み方を気を付ければカフェインにも睡眠の質の向上が期待できるのです。そもそも、なぜカフェインが睡眠の妨げになるといわれているのでしょうか。
寝る前にコーヒーやお茶を飲むと寝つきが悪くなるのは、 「アデノシン」という睡眠物質が原因となっています。眠気は「アデノシン」と呼ばれる生理活性物質が、 「ヒスタミン」の放出を抑制し、睡眠欲求を高めることで発生します。 しかし、カフェインを摂取してしまうと アデノシンが抑制されることでヒスタミンが放出され、脳が覚醒してしまうため、寝つきが悪くなるのです。
このように、カフェインの摂取は睡眠の妨げになりますが、 どうしても夜にコーヒーを飲みたくなったという場合でも、カフェインの悪い作用を逆手にとることで、飲み方を気を付けてみると目覚めがよくなる等の期待ができます。
- 「ホットで飲む」
- 冷たい飲み物は利尿作用が強く、夜のトイレの回数が増えてしまうため、ホットで飲むと良いでしょう。リラックス効果も期待できます。
- 「ミルクを多めに入れる」
- ミルクにはセロトニンの原料の トリプトファンが豊富に含まれているため、 カフェオレなどにして飲むと睡眠の向上につながります。
このように、カフェインにも睡眠の質の向上が期待できる場合もあるのです。