インタビュー

10月14日にZoomでインタビューを行いました。

インタビューを受けてくださった方:

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竹谷哲先生
医療法人竹谷クリニック理事長・一般社団法人健康医療クロスイノベーションラボ理事・
大阪心不全地域医療連携の会代表幹事・大阪大学大学院医学系研究科招へい教授

医者のアイコン
松村嘉起先生
大阪市立総合医療センター循環器内科副部長

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富山美由紀先生
のぞみハートクリニック看護部部長・看護学修士・慢性心不全看護認定看護師・
心臓リハビリテーション指導士・呼吸療法認定士

Q:心不全について中学生に伝えたいこと、自分たちが今できること、気を付けたほうがいいことはありますか?

 

看護師のアイコン

「がん教育」は中学生ではなく小学生からも始まっています。生活習慣病という言葉もありますが、辛い物を食べすぎたりする中で病気になっていく。その原因は小さいころからの食生活が影響しているといわれています。子どものうちから、知識として心不全のことを知ってもらうのは嬉しいです。
心不全のもともとの原因は、高血圧とか心筋梗塞などです。これらの病気は生活が大きく関係してくるといわれています。皆さんが食事や、運動習慣について学んでいることはとてもいいことなので、これからも学んでいって欲しいと思います。
それと、みなさんのおじいちゃん、おばあちゃんも、きっとみなさん(お孫さん)の声は聴いてくれるんじゃないかな?(笑)と思いますので、病院の先生などから注意してといわれていることがあれば、しっかり話を聞いてもらって、一緒に考えてくれると嬉しいなと思います。
ご自分たちへ向けてということと、みなさんの周りの人へ向けて一緒に考えていただけたら嬉しいです。

 

医者のアイコン

僕はこのハートノート作成に携わらせていただいて、その時自分が携わってきた患者さんを振り返ってみました。
大きな病院に勤めている医者は、手術や検査だったりで、なかなか入院中に患者さんとゆっくりお話をする時間が限られています。「塩分摂り過ぎたらだめよ」「水分摂り過ぎたらあかんよ」と言ってどんどん退院してもらっているという今までの心不全の治療を反省する部分が多くありました。
患者さんもなんですが、一人患者さんが居れば、その周りの人にも病状や注意点を理解してもらうことがとっても大事だということが身に染みてわかります。
みなさんのご家族であったり、近所など周りに心臓に関わる病気をお持ちの人がいたりしたら、ぜひ皆さんも自分にできることでサポートしてあげたらいいと思います。


共有されたスライド資料1
Zoom時に共有されたスライドより(掲載許諾をいただきました)

 

Q:ハートノートを実際に使用して、患者さんが変わったと感じることはありますか?

 

医者のアイコン

たくさんたくさんあります。
特に一番大きいのは、ノートを作る前は患者さんが病気になって入院してきて、また良くなった後外来に来て、僕らが状態を診て薬を出したりするんですけど、受け身で医者にお任せ状態の人が凄く多くて、言われるがままでした。
僕らが「水分摂り過ぎたりしてもダメですよ」「塩分摂り過ぎたらだめですよ」と言っても、実際どれくらいわかってたのかがわからないことがありました。
ノートをつけ始めてからは、みなさん実際自分の身体のことなんだって、認識が変わった患者さんがすごく多かったです。
患者さんのほうから日常生活の疑問点であったりとか注意点とかを外来とか入院中にでも患者さんのほうから僕に聞いてくるようなことが増えました。

 

医者のアイコン

僕はかかりつけの先生といって、小さい診療所なので、患者さんが「先生見て」と言ってノートを持って来てくれます。自己管理表に一生懸命書いた数字を、「この数字を見て」と言ってくれます。それで会話が弾みます。
「あ~テレビ見てたんだ」「あ~〇〇食べたんや?」とか。
日常診察と言って、普通に「いかがですか?血圧は?」って話をする前の、患者さんとの日常的な会話が増えるようになりました。これが患者さんにとっても良いことで、患者さんの嫌な気持ちを少しでも和らげるものになっているんじゃないかと思ってます。
患者さんは病院に来るのは嫌だと思ってます。皆さんもそうでしょう?インフルエンザとか打つのって嫌でしょ(笑)でも、このハートノートを使うことで、その嫌な気持ちを少しでも和らげることが出来るようになっているんじゃないのかなって、最近思ってます。
僕自身の中でも変わっていると思います。

 

看護師のアイコン

このような手帳を渡されたときに患者さんは、見張られているというか体重ふえたりとか、なんかすごい血圧高かったりすると、見て怒られるんじゃないだろうかとかそういう風に思ってしまうんじゃないかって思ってるので、コミュニケーションの一つ、「こういうことしてたんだね~」とか「こうだったね」とかこ日々の生活のコミュニケーションになるのがこの手帳の良いところだと思います。
なので、体重が増えても、薬を飲み忘れても、それを正直に書いてくれたらいいんですよっていうことをお伝えして、「じゃあ忘れたんだったら次はどうしたらいいか?」って一緒に考えれるものなので、その人自身のもの(手帳)になるようにお話していきます。
正直、広告の裏などに書いてる人もたくさんいらっしゃるんですけど、それは自分だけの記録だったり、無くなったりしてしまうんです。こういうハートノートというものがあることで、先生に診てもらえる、もしかしたら先生に褒めてももらえるかもしれない、じゃあ次まで頑張ろうかなって先生の所に行く(受診)の間の、先ほど出てきたセルフケアっていうものに繋げるものになるかと思っているので大切なものだと思っています。
交換日記みたいなもの?かな。今は「交換日記」って言わないのかな(笑)

 

先生方

「交換日記」懐かしい(笑)


共有されたスライド資料2
Zoom時に共有されたスライドより(掲載許諾をいただきました)

 

Q:(今回調べていく中で心不全の記録をノートでするよりもスマホアプリの方が手軽で簡単だと思ったので)スマホアプリなどでの管理についてはどう思われますか?

 

医者のアイコン

スマホで見れるものとか、紙で見れるものとか、いろんなものが必要だと思います。
例えば、僕らが生まれら時だと電話はまわすもので黒かったのね。でも僕の子どもが生まれたときは、まだ携帯電話は無かった。今度、孫が生まれてくる今、生まれたときには携帯電話があるという時代なので、おじいさんやおばあさんのためには紙で用意をしてあげたり、いろんな形でそれぞれの人が使えるという形を取ることが必要だと思っています。

 

共有されたスライドアプリ案1
共有されたスライドアプリ案2
Zoom時に共有されたスライドより(掲載許諾をいただきました)

 

逆インタビュー

 

竹谷先生:実際の減塩食を作ってみてどうだった?

O:料理はしたことが無かったが、作ることの大変さや、いつも自分が食べているものが味が濃いなと思いました。

竹谷先生: お母さんの料理は味が濃いと感じたんだね(笑)味が濃いとかだけじゃなくて、その他に感じたことはなかったかな?何がおいしく感じた?

O:出汁が効いてて美味しかったです。

竹谷先生:出汁は自分でとったの?

O:はい。

竹谷先生:お~やるね。かつおだし?Oさんの家の定番になるのかな?

O:はい(笑)

竹谷先生:実際に食べた友人の感想は?食べてどうだった?

H:普段は市販の白だしなど濃いめのものを使うので、すごい薄いな~と思ったのと、薄いからこその良さみたいなものはありました。

竹谷先生:自分で作ってみようと思った?

H:ちょっと・・・大変だなと。

S:私は普段から料理しないで両親にまかせっきり。お母さんの味付けはちょうどいいけど、お父さんの料理は味付けが濃すぎてしょっぱかったりするので、お父さんに、味付けが薄くても工夫すれば美味しくなるので、もっと味付けの薄い料理を作ってほしいと頼んでみようと思いました。

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