プラスチックごみ
大きなプラスチックだけでなく添加剤やマイクロプラスチック(MP。5mm未満のプラスチック)が生態系に及ぼす影響が懸念されている。
ここではプラスチックごみの現状とマイクロプラスチックについて紹介する。
プラスチックごみの現状
WWFジャパンによると全世界の環境中への流出量(2021年)は毎年年間800万トンと推定される。またすでに世界の海に存在していると思われるプラスチックゴミは合計で1億5000万トン。
このままの勢いで増え続ければ2050年の海には「魚よりもプラスチックゴミの方が多くなる」という見込みが高いと言われている。
また、生物が海に漂う人工物で傷つく殆どが海洋プラスチックと言われていて海洋プラスチックが非常に問題視されている。
マイクロプラスチックとは
マイクロプラスチックは一次的マイクロプラスチックと二次的マイクロプラスチックに分けられる。
・一次的マイクロプラスチック
製造時にマイクロサイズで作られたプラスチックのこと。
ex.洗顔料や歯磨き粉に含まれているマイクロビーズのことで、排水口から自然環境に流出する。
・二次的マイクロプラスチック
製造時には大きなサイズであったプラスチックが自然環境にさらされることで細分化されてしまったもの。
世界の現状
引用:マイクロプラスチック問題の現状と対策(環境省)
上記のグラフからわかること(⬇)
・マクロプラスチック、マイクロプラスチックはともに、アジア諸国が主要な排出地域(4割〜5割)
・マクロプラスチックは次いで中東、アフリカ(25%)。先進国は10%程度の割合を占める。
・マイクロプラスチックは次いでOECD米州(18%)、中東・アフリカ(14%)となる。
日本のプラスチックごみの排出状況
消費者庁によると日本では2016年時点で年間約9,400千トンのプラスチックごみを排出していて容器包装・コンテナーが4,260千トンと約半数を占める。そのうち容器包装リサイクル法に基づき回収されるプラスチックごみは1,040千トン。しかし、日本財団によると2022年になっても日本人のプラごみ廃棄量は世界2位と世界の国々と比べて脱プラスチックに遅れをとっている。
プラスチック汚染問題の動向
引用:マイクロプラスチック問題の現状と対策(環境省)
プラスチック汚染に関する条約交渉について
1.会合について
2022年11月28日〜12月2日、ウルグアイのプンタ・デル・エステにおいて政府間交渉委員会第一会合(INC1)が開催された。
約160カ国から2300人以上(民間、NGOも含む)が参加。
2.主な成果
ペルー前首相が議長となり交渉が正式に開始。
各国・地域の発言から、条約策定の方向性や今後の論点が見えてきた。
例:・条約の目的は、人の健康、生物の多様性および環境を保護することとするべき。
・世界共通の目標設定が必要
・国別行動計画の策定・報告・評価の仕組み。
・プラスチックの製造から廃棄まで、ライフサイクル全体で取り組むことが重要。
今後の論点:・プラスチックの製造段階における取り組みは、世界共通で規制すべきか、各国に委ねるべきか。
・能力面・技術面・資金面での支援のあり方・規模(途上国が、先進国はより責任を果たすべきと主張しているため)

