船舶からの排出物
ここでは海洋汚染全体の現状、船舶からの排出物による海洋汚染の現状、船舶から排出する油に対する国際的な取り組みについて紹介する。
海洋汚染全体の現状
海上保安庁がまとめたデータでは2022年の海洋汚染発生件数が468件。
この内訳は廃棄物、油、有害液体物質、その他と分けられているが油による海洋汚染は299件と1番大きな原因となっている。
引用:海上保安庁
船舶から排出する油の現状
油による海洋汚染の299件のうち、船舶からの排出が198件で、船舶の船種別では漁船が最も多く、ついでプレジャーボート、貨物船、作業船、タンカーの順である。
最多の排出原因は、作業中有の取り扱い不注意(ex.誤ったバルブ操作、不適切なタンク計測など67件)
取扱不注意による油排出の原因作業は、バルブ操作不適切が最多で次いでタンク計測不適切。
引用:海上保安庁
国際的な取り組み
・1954年の「油による汚濁の防止のための条約(OILPOL条約)」が最初の条約。その後、大規模な流出油事故発生のたびに条約による油濁防止策が強化されてきている。
・1983年の73/78MARPOL条約(2007年発効の改正)
➡船舶による海洋汚染に関する包括的な要件について
ex.船舶からの油による汚染を防止するための構造や設備要件、基準棒度を超える油水等の排出禁止等
・改正時
1.船舶からの油の排出規制の強化。
2.ビルジその他油の排出について規定されている。
※ビルジとは航行中に船底に溜まる、機器や配管等から漏れた水や油のこと。(海洋汚染の原因となる)

