デメリット
アンケートの結果、昆虫食を食べたことがないと答えた人は半数以上を占め、昆虫食を食べてみたいと答えた人は少数でした。
このことからも昆虫食は一般的ではなく、また、避けられる存在だと言えます。
見た目
アンケートの結果では、昆虫を食べたくない理由として「見た目がいや」と答えた人が全体の32%と最多でした。このことからも昆虫食の最大のデメリットは見た目だと言えます。食肉は個体が大きいため切り分けて販売されていると全体の姿が不明瞭ですが、昆虫の個体は小さく、長い触覚、頭の半分を占める大きな目、特徴的な色や模様、多数の長い脚などが全て見えてしまうため、見た目のインパクトが嫌悪感に繋がっていると考えます。
さらに、人はこれまで食べたことのない物の摂取を避ける傾向にあります。これは食物新奇性恐怖といい人間を含めた動物が持つ習性です。それにより昆虫の見た目への嫌悪感が心理的な大きな壁になっていると考えます。
イメージ
アンケートの結果では「生理的にいや」と答えた人が27%でした。これは私たちの昆虫に対するイメージによるものだと考えます。私たちの身近でイメージする虫と言えば害虫ではないでしょうか。害虫は不衛生な場所にいるイメージがあることから昆虫食に対するイメージも「生理的にいや」だと感じてしまうのではないかと考えます。私たちは不衛生な害虫を排除する気持ちが強く、過度に昆虫を嫌悪しているのではないでしょうか。
味や匂い
乾燥したバッタ類はエビのような香ばしい味がすると言われていますが、実食するとエビのような味の中に苦味や雑味も感じられました。味覚は個人差があるため、食べ慣れない食材の味や匂いが苦手だと考えている人は多いと思います。
豊かな食生活になった現在の日本では化学調味料を始めとする食品の加工技術の向上により自然のものが美味しいと感じなくなっているように思います。さらに、味の濃いものや脂の多いものが美味しいとされ、嗜好の偏りが生まれています。このような背景からも素朴な昆虫の味や匂いは受け入れにくくなっていると考えます。
安全性
「食べる」ことにはリスクが伴います。そこにさらに「昆虫を」となると心情的に難易度が高くなります。不衛生な昆虫を食べて大丈夫なのかという不安が払拭できないのです。 また、昆虫を食べると聞くと、自然に生息している昆虫を捕って食べることをイメージする人もいると思います。自然界に生息する昆虫には毒を持ったものがいるため、昆虫に毒が含まれているのではないか?昆虫を食べて体調が悪くならないか?という安全性への懸念が浮かび上がってきて昆虫を避けてしまうのではないかと考えます。 (解決策はこちら→安全性について)
食物アレルギー
昆虫食は、アレルギーを引き起こす可能性が否定できません。昆虫と甲殻類は同じく無脊椎動物であるため、昆虫食には甲殻アレルギーの症状が出る可能性があります。アレルギーの症状は、皮膚や粘膜の痒み、蕁麻疹、息苦しさ、吐き気などがあり、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤な反応が現れることがあるので、甲殻類アレルギーのある人は昆虫を食べるのは控えた方がいいでしょう。また、甲殻類アレルギーがなくても昆虫アレルギーを発症することもあるため注意が必要です。そのため、アレルギーが気になる人は食べるのを敬遠する可能性が高くなりますが、アンケートの結果ではアレルギーを気にする人は多くはないようです。 (解決策はこちら→食物アレルギーについて)
販売価格
私たちが感じた昆虫食のデメリットは販売価格が高いことでした。実食するにあたり購入した昆虫食は、乾燥した昆虫6種類(6パック)とタガメサイダー3本で10,000円以上かかりました。この値段は私たちの想像以上で驚きました。販売価格が高いことは、私たちだけではなく、今後、皆さんが昆虫を食べるようになった時にも課題となるのではないかと考えました。 (解決策はこちら→販売価格について)