地域循環型バイオマス発電の成功法とは

代表的な成功事例

ex)1.うどん発電
2.真庭市バイオマス発電
3.会津若松のグリーン発電会津

1,2,3の事業から、成功した要因と考えられること

1.真庭市のように、バイオマス事業を軸に、 地域の特色を活かしたまちづくりをしており、発電事業だけでなく、バイオマスを産業観光拡大事業としても活用していること。(バイオマスツアー真庭)。
2.間伐材や林地残材を地域で加工・利用し、林業支援・地産地消のエネルギー化を図る取り組み。自治体計画(バイオマスタウン)と結びつけて成功している。

失敗事例から考えるその要因・原因

全国の地方自治体の失敗事例や、国のFIT制度が進んでいないことなどから、以下のような原因を考えました。


1.燃料供給
成功地元で安定的に発生する燃料(食品残渣、間伐材など)を使う。
失敗:バイオマス資源(*木質ペレット*)などを輸入に頼っていること(価格高騰や入手難)
2.技術選定と規模
成功:シンプルで燃料に合った技術、適正規模(小〜中規模で地域内完結)。ex)真庭市、グリーン会津
失敗:過剰設備投資により運転・維持コストが高い
3.収益モデル
成功複数収益(電力販売+廃棄物処理手数料や副産物販売(発酵残渣から出た肥料など))でリスク分散   
失敗:電力販売一本槍で市場変動に弱い。
→FIT制度を使っていても使っていなくてもリスクは有る
{FIT制度を使った場合}
→FIT制度は電気の価値は守ってくれるが、次のようなコストについては守ってくれない。
守られるもの電力の販売価格、売電収入の安定、一定期間の収益
守られないもの燃料価格(木質ペレットなど)、輸送費・人件費・保守費、想定外の稼働率低下
→そのため、燃料価格高騰や輸送費上昇等によって、「価値は固定されていても原価は上がる」状態になり、"電力販売しか収入がない=赤字化"になりやすく、FIT制度を使っていても「電力販売のみ」だと危険なことがわかる。
{FIT制度を使っていない場合}
→電力を市場価格で販売するため、電力の価値が安定せず、市場変動に弱いため、安定した収入が見込めない。

4.地域との連携
成功:地元事業者、自治体、住民の合意と参加(資源集約や運営協力)→ 住民を巻き込んだバイオマス発電。
失敗:合意形成不足で反対やプロジェクト遅延が発生。
5.*ロジスティックス(輸送・加工)*
成功燃料が近距離で調達でき輸送コストが低く、地域内で完結。
失敗: 燃料を遠方から運ぶため、コストが膨らみ採算を圧迫。     

成功させるための要素


1.燃料供給の確実性
・年間発生量の現地実測データを少なくとも数年分集める(季節差・天候影響を反映)。
・輸入燃料に依存しない。地場資源(農業残渣、食品残渣、間伐材、畜産系残渣等)を優先する。
2.適切な技術・適正規模の選定
・ 燃料の性状に合った、技術的にシンプルでメンテナンスしやすい設備。過剰な自動化・大型化は避ける。(国際ガイドラインIEA Bioenergyから)
3.多角的な収益構造の構築
・電気の売却だけでなく、廃棄物処理手数料、消化液やバイオ肥料の販売、熱利用(地域暖房や農業利用)、教育・観光(見学ツアー)などを組み合わせる。
4.強固なサプライチェーンと長期契約
・燃料供給者(事業者・農家)との長期契約や調達ネットワーク、必要なら共同事業体(地域会社)を作る。輸送経路の確保も重要。
5.地域合意と関係者ガバナンス
・計画段階から住民説明、自治体や地元企業との協働を進める。地域の利害を反映した収益分配や雇用創出を図る。
6.財務設計(現実的な収支試算)
・補助金や税制、PPA(電力購入契約=電力の買い取り条件)を踏まえた資本構成にする。
7.運営体制の確立
・維持管理ができる人材(運転員・整備)を地域で育てるか外注先を確保。計画時に保守コストを正確に見積もる。
8.環境・安全対策の徹底
・大気・水質・火災リスク管理、周辺住民への影響評価を適切に行う。問題発生時の対応計画(BCP)も必須。

参考にした主な情報・データソース


・たべものが電気に変身!? 香川県で行われているSDGsな「うどん発電」がスゴイ | エネ百科
・バイオマス発電事業の実施事例【自治体事例の教科書】 | 自治体通信Online
・国内事例にみるバイオマス利活用事業の成立要件と実効性の評価
・鈴川エネルギーセンター(株) | TSR速報 | 倒産・注目企業情報 | 東京商工リサーチ
・Bioenergy Project Development and Biomass Supply - Good Practice Guidelines
 

バイオマス発電の循環

真庭市のバイオマス発電

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