うなぎは未来に残せるか―土用の丑の日の文化

日本に住んでいればよく耳にする「土用の丑の日」という言葉。ただなんとなくうなぎを食べる日というだけのイメージを持っている人も多いと思います。ここでは「土用の丑の日」について詳しく説明していきます。

うなぎは未来に残せるか

土用の丑の日の文化

概要


・土用の丑の日にうなぎを食べる理由
・近年土用の丑の日離れが進んでいる原因は…

土用の丑の日 日本で昔から親しまれてきた「土用の丑の日」。2017年は7月25日と8月6日にありました。そもそも土用の丑の日とは何なのでしょうか。
土用とは立春、立夏、立秋、立冬のことを意味し、丑の日というのは十二支の「子、丑、寅…」の丑のことです。約18日間ある「土用」の期間のうち12日間周期で割り当てられるとき丑になる日が「土用の丑の日」になるという仕組みになっています。

さて次に、なぜ土用の丑の日にはうなぎなのでしょうか。諸説あるなかでもっとも有力なものは江戸時代にエレキテルを発明した平賀源内が広めたという説です。うなぎの旬ではない夏場にはなかなかうなぎが売れずお店が困っていたところ平賀源内が「本日、土用の丑の日」といった宣伝を提案したところ、うなぎ屋が繁盛していったという説です。

うなちゃん
夏の土用の時期(各季節の最後の18~19日)は暑さが厳しく、夏バテをしやすい時期でもあります。日本で最も古い歌集といわれる万葉集にも夏痩せに対して、うなぎを食べることを勧めている句がのっています。


 石麻呂に 吾物申す 夏痩せに 良しといふ物ぞ 鰻漁り食せ  作者:大伴家持
 (訳)石麻呂さんに申し上げます 夏痩せに良いそうですから鰻を獲って食べてください



このように昔からうなぎは日本人に親しまれてきました。現代でも夏バテ防止として、栄養豊富なうなぎを食べることが定着しています。ビタミンB1やビタミンB2などのビタミン類、DHAやEPAなど非常に多くの栄養が含まれており免疫力を高めることにとても効果的であり、含まれているビタミンB1は糖質の代謝を助けエネルギーをつくり神経や筋肉などにエネルギーを供給します。

アンケート結果 土用の丑の日にうなぎを食べるか実施アンケートより作成

しかし私たちが実施したアンケートの実施結果(詳細はその他 参考資料)によれば、土用の丑の日にうなぎを食べると回答した人は42%、食べないと回答した人は58%過半数の人が食べないということがわかりました。
またその理由の多くが「値段が高い」というものでした。

伝統的な日本の食文化であるにもかかわらず近年は価格の上昇などから土用の丑の日にうなぎを食べる習慣が失われつつあることは大変問題です。

次のページは…土用の丑の日離れの一因である価格の上昇の詳細は…
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