認知度向上のために
認知度の低さ
概要
ここまでサステナブルシーフードについて説明してきましたが、うなぎをサステナブルシーフードで救うにはいくつか課題があります。そのうちの一つが、サステナブルシーフードの認知度の低さです。認知度の低さは具体的にどのくらいなのか、また、海外と日本では認知度に違いがあるのかを検証するために日本と海外でアンケートを行いました。
・サステナブルシーフードの認知度はとても低い
・日本と海外での販売者側の工夫の違い
以下の円グラフは実施したアンケートに基づき作成しました。
国内で「サステナブルシーフードを知っているか」というアンケートを実施したところ、356人中275人である80%が「知らない」と答えました。これはつまり5人中4人が知らないということになります。一方、世界33カ国、81人にアンケートを実施したところ、サステナブルシーフードを知っていると答えた人は22人で、全体の27%でした。日本と比べると少しばかり多いですが、それでもまだ、あまり知られていない、ということがわかります。
さらに私たちの高校の1、2年生221人を対象に行ったアンケートでは、MSC認証マークを「知っている」という人はわずか2%、「見たことはある」という人は16%、残りの82%の人は「知らないし見たこともない」という結果となりました。8割以上の人がMSC認証マークを全く知らないということです。一方世界33カ国、81人へ行ったアンケートでは日本よりはよく知っている・見たことはあるという人の割合は大きいものの、広く知られているとは言えません。
グラフからもわかる通り、ASC認証マークでも同じような結果が得られました。
以上のことから、日本での認知度を上げると共に、世界に向けてもサステナブルシーフードの活動を広げていくべきだと考えます。日本でも世界でも広く知られるようになれば、私たちの海は未来まで守っていけるのではないでしょうか。
同じ校内アンケートで「多少高くても環境に配慮された魚を買うか」という質問に対して、半分以上の人が「はい」と答えていました。
よってサステナブルシーフードの認知度向上がうなぎを減少から救うための近道であることがわかります。
販売者のアクション
また、認知度向上には販売者側の工夫も非常に重要だと思います。
そもそも認証マークのついた食品はスーパーでどれくらい売られているのでしょうか。
日本国内で実際に様々なスーパーを回りましたが認証マークつきの商品が売られていたのはAスーパーだけで、その鮮魚売り場にはMSC認証やASC認証のついた商品が多く並んでいました。
認証マークつきの商品を手に取った時に、商品名の近くにわかりやすく認証マークが貼られていました。また売り場のポップにはMSC認証のエコラベルの写真とともに「環境にやさしいMSC認証 子持ちししゃも」と書かれていました。
売り場に、わかりやすく目立つように掲示されていれば、客は自然とマークの意味を知ることができると期待できます。その場で知ることが出来れば、その場でその商品を買うことで行動に移せるのです。事前知識として知られていなくても、サステナブルシーフードの消費を促すことができるのです。
撮影許可を取りメンバー撮影
一方海外のスーパーでは認証マークのついた商品はどれくらい売られているのでしょうか。本校の生徒がオランダへ留学しておりオランダのスーパーの様子を知ることができました。
オランダのスーパーの鮮魚売り場に並んでいる商品のほとんどには認証マークがついており、むしろ認証マークがついていない商品を探す方が大変なほどでした。
本校留学生撮影
日本のスーパーでは認証マークの認知度向上のための工夫は見られましたが、そもそも環境に配慮した水産物がほとんど流通していません。日本でも早く環境に配慮した消費が広まることが望まれます。
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