課題>安全性の問題

バイオ医療と安全性の問題

みなさんは医療を使うときに治療効果は高いものの安全が保障されていないものと、治療効果はそこそこでも安全性が高いものどちらを 選びますか?おそらくは特別な場合を除き大半の人が安全性を優先すると思います。では、バイオ医療には具体的にどのような安全性に 関する問題があるのでしょう?

iPS細胞

現在では盛んに研究が行われているiPS細胞ですが、じつはほかの多能性幹細胞に比べてがん化しやすいという問題があります。 これはiPS細胞を作るときに導入する遺伝子に「がんのもと」となるものが入っているからなのです、またiPS細胞の移植によって 体が拒絶反応を起こした事例もあります。iPS細胞を患者さんに使ってもらうためにはこういった課題をクリアしなけらばなりません。

ゲノム編集の懸念

ゲノム編集は画期的な技術ですが、その裏で予想がつかないことが起こるかもしれないという側面も持ち合わせています。 たとえば、病気のもととなる遺伝子Aをゲノム編集によって取り除いたとします。しかしその遺伝子Aがほかの病気Bを抑えていたとしたら どうなるでしょう。DNAについてはまだほとんど解明されておらず、遺伝子同士の因果関係が不明です。なので、ゲノム編集をするときは より慎重になる必要があります。

医療は安全第一ですから、この問題は絶対に取り除かなければなりません。安全性が確保されたとき初めて、人々に バイオ医療が広がるでしょう。

参考文献 書籍

  • トコトンやさしい ゲノム編集の本
    (宮岡佑一郎、B&Tブックス 日刊工業新聞社・2019年 3月19日)
  • ゲノム編集の光と闇-人類の未来に何をもたらすのか)
    (青野由利 ちくま新書・2019年 2月10日)
  • マンガでわかるゲノム医学
    (水島-菅野純子 著 羊土社・2018年 8月5日)
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