バイオと倫理的問題
バイオテクノロジーと倫理問題は切っても切れない関係でバイオテクノロジーが発展するのに避けては通れない道のひとつです。 この問題の具体例の一つで最近話題になった「デザイナーベビー」を詳しく見てみましょう。
バイオテクノロジーと倫理問題は切っても切れない関係でバイオテクノロジーが発展するのに避けては通れない道のひとつです。 この問題の具体例の一つで最近話題になった「デザイナーベビー」を詳しく見てみましょう。
みなさんはデザイナーベビーというものを知っていますか? デザイナベビーとは、ヒトの受精卵を遺伝子操作し、 特定の病気に対して耐性をもたせたり、容姿や知能をかえたりして誕生した赤ちゃんのことをいいます。 もともとは、遺伝子操作によって遺伝子疾病をなくすことが主な目的でしたが、次第に容姿をよくしたい、頭を 良くしたいという親の欲求を満たすという目的も論じられるようになりました。 デザイナーベビーはSF映画でも取り上げられ、今までは現実的ではない存在でしたが、近年の技術の発展によりそれが可能になりました。
そしてついに、2018年の冬に中国の南方科技大学(広東省深圳市)の賀建奎(フー・ジェンクイ)元副教授が一卵性双生児のデザイナーベビー、露露と娜娜(ルルとナナ)を誕生させたと発表しました。 これは国内外に倫理的に問題があるとの批判が広がりました。賀氏はHIVウイルスに対して耐性を持たせるためだと主張していますが、耐性を持たせるために わざわざ遺伝子操作をしたことを疑問視されました。深圳市の裁判所は「国家の科学研究と医療のルールを故意に破り、倫理道徳の限度を超えた」と判断し、 賀氏に懲役3年の実刑判決を言い渡しました。
デザイナーベビー誕生が発表された直後に開催された第2回ヒトゲノム編集国際サミットの議長を務めたノーベル生理学・医学賞の受賞者でもあるデイヴィッド・ボルティモアは、
「賀のやったことは、ゲノム編集を巡って責任ある行動を求めたNAS(米国科学アカデミー)の指針に沿ったものではない」という意見も述べています。
賀氏の研究には2017年3月の日付が付けられた実験文書もあり、これはNASがデザイナーベビーについて、「安全で厳重な管理のもとで実施される場合に限った
慎重な賛成」を明らかにした日からわずか1カ月後のことでした。世界中の研究者にとってまさに青天の霹靂だったことでしょう。
デザイナベビーは倫理上問題があるとされていますが、たくさんのメリットもあります。
それでもやはり、倫理問題含め多数のデメリットがあります。
これらの点を踏まえて、デザイナーベビーの議論は慎重に進めていく必要があります。
ついに現実のものとなったデザイナーベビー。安全性や生命倫理を考えると、このような行動はもっと慎重になるべきです。 もしかしたら未来ではデザイナーベビーがごく普通のものとなっているかもしれません。ヒトとは何か、倫理とは何か考え方が この先どのように移り変わるかが気になるところです。
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