長野県在住の方にインタビュー
長野県では昆虫を食べることでよく知られています。
大切に受け継がれてきた昆虫の伝統食や現在の昆虫食の実態をお話いただきました。
- 昆虫を食べたことがありますか? また、どのような種類の昆虫を食べますか?
- A. イナゴ、蚕のさなぎ、蜂の子、ザザムシを食べたことはありますが、日常的には食べません。長野県の南信地方の人は食べますが、北信地方の人は食べません。
- 昆虫食への抵抗はありますか?(味・匂い・見た目など)
- A. 抵抗はあります。特に見た目に抵抗があります。
- どこで昆虫を調達(購入も含む。)しますか?
- A. 昔はどこの家でも田んぼを持っていたので、自分の田んぼでイナゴを捕まえていました。イナゴを捕まえるのは子どもの仕事でした。イナゴは稲を食べる害虫で、昔の稲作は農薬をあまり使っていなかったのでイナゴの大群が発生し、それを駆除するために捕まえていました。
現在、イナゴと蚕のさなぎはパック詰めされてスーパーの漬物売り場(たくあん、キムチ、紅ショウガと同じ売り場)に置いてあり、どのスーパーでも売っている一般的な食品です。蜂の子は瓶詰で販売していますが取り扱っていないスーパーもあります。道の駅には様々な昆虫食が販売されています。 - 昆虫料理はどのようなものを食べていましたか?
- A. イナゴは祖母が佃煮にしてくれていました。
イナゴ、カイコの蛹、蜂の子、ザザムシは4大珍味と言われていてどれも佃煮にして食べることが多いです。 - どのような時に食べますか?
- A. イナゴやカイコの蛹の佃煮は特別なものではなく、日常的に食べていました。 蜂の子は栄養価が高く高価なものだったので大切に食べられていました。現在でも販売価格は高く、店頭では盗難防止アラームのタグが付いて陳列されています。
- 最近昆虫を食べていますか?
- A. 昆虫は全く食べません。私の子ども(20代)は食べたことがないと思います。
現在でも昆虫食を購入する地元の人は、幼少期に食べたことがある人で、懐かしい味として購入しているのだと思います。

