「昆虫食」×「フードテック」
◆フードテックとは
フードテックとは、「Food」と「Technology」を組み合わせた言葉です。 最先端の科学技術を使い食に関する問題を解決し、食の可能性を大きく広げる技術のことです。代替タンパク質として期待されている昆虫食もこのフードテックが活用されている分野の一つです。
◆フードテックが活用されている主な分野と例
○代替たんぱく質
昆虫の粉末等を原材料に使用した食品
細胞を人為的に培養し得られる食品
○調達技術、調理技術
フードロボットによる調理・盛り付け・配膳・食器洗浄の自動化
AIによる需要予測に基づく発注業務の最適化
○一次産業
植物工場の育苗から収穫までの栽培工程の自動化
最適な給餌方法による餌の効率化
AIによる収穫時期の判断及び自動収穫
○消費分野
センサーやインターネットによるスマートキッチン
自動運転技術を搭載した宅配ロボット
○健康管理
食事の写真やバーコードからカロリーを記録できるアプリ
AIによる献立を設計するサービス(AI食)
食品に含まれるアレルギー情報を提供するアプリ
◆「昆虫食」×「SDGs」×「フードテック」
○SDGs目標2「飢餓をゼロに」
「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進すること」を目標とし、持続可能な食料生産を実現することを目指すものです。
世界の食料需要は、2050年に2010年比で1.7倍の58億トンになる見通しです。(参考:農林水産省「フードテックをめぐる状況」)現状の食料生産体制だと食糧不足や飢餓が深刻な問題となります。
そこで昆虫食にフードテックを活用することにより、昆虫の「飼育の工程を管理できるシステム」や「温度・湿度の自動管理を行うAIやセンサー」(参考:農林水産省「スマート農業技術カタログ」)を用いることで、小さい面積、少ない人員でも安定した生産が可能となります。また、科学技術により遺伝情報を解明し品種改良を行うと養殖の生産が向上し持続可能な食料生産を行うことができるのではないかと考えます。
○SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」
「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進すること」を目標としています。すべての人が健康で社会的にも満たされた生活を送ることを目指すものです。
近年、食生活を取り巻く環境が大きく変化したことから食品への安全性への関心が高まっています。そのため、フードテックは「製造工程の自動化」、「食品成分の自動分析」、「センサーによる商品劣化の判断や異物の除去」など消費者が安心できる環境を整えるために活用することが望まれます。昆虫食においても、ロボットによる食用昆虫の養殖の自動化、AIによる加工工程の管理を行なうことで食の安全性を確保することができると考えます。