発酵パン
発酵パンって何?
小麦粉やライ麦粉などのイネ科の穀粉などに食塩と水を加えて混ぜた生地に酵母などを加えて発酵させ、焼いた食べ物です。パンの起源は起源前6000年ほどだと言われ、しかし最初のパンは無発酵の薄く平たい固い物でした。ある時に、その無発酵のパンを生地を放っておいたら空気中にいた酵母がたまたま付着して発酵したのを試しに焼いて食べたら食べやすく以前のものよりもおいしいパンが出来たと言われています。今では原料もグルテンの多く含まれる小麦を用いられるようになり、いまのやわらかいパンの形に落ち着きました。
パンの製法
パンの製造方法にはストレート法、中種法、発酵種法、ポーリッシュ法、サワー種法、自家製酵母があります。しかし、基本的に使われるのはストレート法と中種法です。ストレート法
ストレート法とはパンの材料を何度かに分けずに一度に混ぜこねて発酵する方法です。一度に材料を全て混ぜ合わせてしまうので材料の味がいかされた風味のある仕上がりになります。また、材料を一度に混ぜ合わせてしまうので発酵回数が一回と少なく歯ごたえのあるパンになります。しかし、欠点として発酵回数が少ない分発酵時間が短いので、パンが硬くなるのが早いです。
材料を混ぜる→発酵→分割→ホイロ(最終発酵)→焼成
中種法
小麦粉を50%以上使います。また、ストレート法とは違って材料は二段階に分けて混ぜます。だから発酵時間が長くなるので生地の熟成が進み、やわらかいパンができます。水分が沢山保持されているので硬くなりにくくボリュームが豊かで、日持ちが良いです。しかし、発酵時間が長い分にパンを作るのに時間がかかってしまいます。材料を混ぜる(小麦、水、イースト)→発酵→材料を混ぜる(油脂、砂糖、塩)→分割→発酵→焼成
酵母菌がいないのに膨らむ?
ケーキやパイは重曹、泡立てた卵、小麦などを混ぜて焼くことによって気泡が出来て生地が膨らむのでケーキやパイには酵母菌がいなくても生地が膨らみます。そのため発酵の時間が必要ないのです。グルテンとは何か
グルテンとは、小麦に85%ほど含まれている水に溶けないタンパク質の事で水を加えて膨らみ、水をたっぷり含んだ小麦粉をこねるとグルテンを得ることが出来ます。グルテンには弾力性と粘着性があり、パン生地のふわっとした食感はグルテンによるものでもあります。またグルテンは発酵によって作られた二酸化炭素をとどめておくのにも役立っています。パンの原料について
パン小麦が普及する以前、ヨーロッパではライ麦でつくられるパンでした。ライ麦にはグルテンが含まれていないので、パン生地内に二酸化炭素をとどめておきづらくさらに乳酸発酵されるのでタンパク質を硬化させてしまいます。だからヨーロッパの黒パンには独自の酸味と香りがあるのです。このようにパンの原料によって味や香りが変わるのです。
種類 | 用途 | グルテンの量/質 | タンパク質の量 | 粉の粗さ |
---|---|---|---|---|
強力粉 | 食パン |
とても多/とても強 | 11.5〜13.5 | 粗い |
準強力粉 | フランスパン 中華麺 |
多/強 | 10.5〜12.0 | 粗い |
中力粉 | うどん そうめん クラッカー |
中/やや柔 | 9.0〜10.5 | 細かい |
薄力粉 | ケーキ クッキー |
少/粗く弱い | 7.0〜8.5 | とても細かい |
デュラム粉 | パスタ | 多/柔 | 11.5〜12.5 | とても細かい |