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 ・HDIの求め方

 ・貧困の統計

 ・代表国

HDIを下げる要因

 ・貧困とHIV/エイズについて

 ・乳児死亡率

 ・ジェンダー

 ・平均寿命

 ・所得格差

HDIを上げるためには?

 ・成長の分配を改善する

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ここでの「貧困」は人間開発指数(HDI)で定義することにします。

人間開発指数は多様な要素で構成される複合指数です。
人間の福祉に関する3つの側面、すなわち、所得、教育、健康に対象にしているものです。

HDIは人間の福祉における変化、および、さまざまな地域における進展を比較するための指標です。
サハラ以南のアフリカの際立った例外を除いて、過去10年間伸び率はまちまちであっても、開発途上地域全域で上昇してきました。
しかし、それは全体的に見て前進しているだけで、前例の無い後退に苦しんでいる国もたくさんあります。
これは、世界の経済格差を生んでいて、そしてこれは、この地球における、大きな問題でしょう。
ここでは、貧困とは、どのような要素で引き起こされるのか、
ここでは、HDIを割り出すときに、注目するべきところを挙げて行きたいと思います。



人間開発指標(HDI)はその国の、人々の生活の質や発展度合いを示す指標です。
生活の質を計るので、値の高い国が先進国と重なる場合も多く、先進国を判定するための新たな基準としての役割が期待されています。
人間開発指数(HDI)の算出の3つの側面は

 ・出生時平均余命で測られる「長寿で健康な生活」
 ・成人識字率(2/3加重)と初・中・高等教育総就学率(1/3加重)によって測られ
る「知識」
 ・一人当たりのGDPで測られる「人間らしい生活水準」
です。
ちなみに、人間開発指数(HDI)の2006年のトップ10は下記のようになっています。
1 ノルウェー (→ 0)
  アイスランド (→ 0)
  オーストラリア (→ 0)
  アイルランド (↑ 4)
  スウェーデン (↑ 1)
  カナダ (↓ 1)
  日本 (↑ 4)
  アメリカ合衆国 (↑ 2)
  スイス (↓ 2)
10オランダ (↑ 2)






これは、人間開発指数(HDI)を元に作った世界地図です。

人間開発指数は総合的な指数です。
人間開発指数においての低さの原因は様々な要因が挙げられます。
そこで私たちは、特に、栄養不足を基盤とした「HEALTH」
水不足を基盤とした「HUNGER」、それと女性の政治参政権の割合の3つの観点から国別に、見ることにしました。



>>アフリカ
アンゴラ
エチオピア
ケニア
ザンビア

>>中東
サウジアラビア
アラブ首長国連邦
イスラエル

>>アジア
マレーシア
ベトナム
中華人民共和国
>>南米

アメリカ
ブラジル




HIV/エイズは、私たちがあげる、人間開発指数(HDI)における3つの側面(HEALTH、HUNGER、女性参政権)全てに影響する恐ろしい病気です。

HIV/エイズの感染者が居る世帯は医療費の負担が増え、所得が落ち込むため、経済的に困窮することになります。
医療費が世帯所得の1/3にを越えることもあり、その結果他の分野の家計を圧迫します。
医療費のために、食料や家畜等を売ってしまい、さらに困窮する家庭も少なくありません。
その上、HIV/エイズは人間の労働力まで奪ってしまいます。

成人のHIV/エイズで死者が増えたためにスワジランドではとうもろこしの生産が50%も減ってしまいました。
HIV/エイズの拡大は、栄養失調をも引き起こしやすくなります。
なぜなら、HIV/エイズは体内の免疫能力を弱め、それが栄養不足を招き、そして更なるエイズの発病と進行を早めるという悪循環をも生み出すものだからです。




人間開発指数(HDI)の潜在能力の剥奪状況を示す最も有力な、あるいは、懸念材料となる指標は、乳児死亡率です。
5歳の誕生日を迎えずに死亡する子供の数は、毎年1000万人を越えています。

乳幼児死亡者のうち、サハラ以南アフリカの占める割合が上昇しています。

出生者の20%が同地域に居る一方で、乳幼児死亡者は44%を占めているのです。
乳幼児の死亡の原因の多くは防げるもので、マラリアだけでも2分に4人が死亡し、そのうち3人は子供なのです。
このような死のほとんどは、手軽で安価な予防接種によって防ぐことが出来ます。
このほかには、麻疹ジフテリア破傷風などがあげられますが、
このようなワクチンで予防可能な病気で毎年200万人から300万人もの乳幼児が命を落としているのです。

死亡してしまう子供一人ひとりの中には病気になったり、登校できなくなったりする子供が何百人といて、
彼等は子供時代に健康状態が悪かったために大人になってからも貧困に苦しんでいるのです。

このような、悪循環に陥っている貧困国は、毎年50万人に上る女性が妊娠や出産が原因で死亡するのですが、
それと同様に毎年死亡する乳幼児の98%以上という問題も抱えているのです。
そのような乳幼児は、生まれた国が貧困国であったために死んでしまったのです。



日本にいる私たちも感じるジェンダーの不平等ですが、
貧困国にとってジェンダーの不平等は、教育を受ける機会など、多くのことを制限しています。
ジェンダーの格差は縮小しているとはいえ、
アフリカやアラブ諸国における女子の教育機関は男子に比べて平均1年短く、南アジアでは約2年も短いのです。

アフリカの14カ国では、初等教育を受ける子供の中で女子が占める割合は45%を満たしません。
つまり、ジェンダー格差が無くなれば、新に200万人の女子が学校に通えるようになるのです。

途上国全体の初等教育終了率は女子が75%である一方、男子は85%に達しています。
中等教育および高等教育では、ジェンダー格差がさらに広がってしまっています。
これらの深刻なジェンダー格差は、全ての人々の教育を受ける権利を侵害するだけでなく、
将来の人間開発にとっても脅威の存在となるのです。

様々な指標の中でも、女子の教育は社会の発展にとって大きな触媒の一つだといえます。
そこで、私たちは女性の政治参加を指標にし、グラフを作りました→(女性の政治参加のページへリンク)



健康で長寿名人生を送ることは、人間の潜在的能力を示す基本的な指標となります。
平均寿命における不平等は何よりも人間の福祉と機会に密接に直結しています。

富裕国と貧困国との格差縮小という長期間の動きは、HIV/エイズや、
その他の後退要因によって生まれた一部の地域の格差によって拒まれてきました。
世界的に見ると平均寿命の格差は依然として縮小しつつあります。

平均寿命はどれだけ健康に過ごせるかを示す指標でもあります。
リスクを測る方法の一つに、回避できるはずの死亡の数で、
すなわち他の区にのある集団に比べて、一定の年齢に達する前に死亡するリスクがどれだけ大きいかを算出するというものです。

高所得諸国の平均を基準に比較した時、途上国の死医者の半分以上が回避可能と考えられるのです。
これは、所得差によるもので、所得が低くため、保健に対する一人一人の支出額が少ないのです。
それによって、若くして命を落としてしまう人が貧困国には多いのです。



世界の貧困は過去20年最も貧困が削減されたという時期のひとつであることは統計で解っています。
しかし、この世界の貧困の減少は、主に東アジア地域、特に中国の際立った成功によって推進されたものなのです。
つまりその一方で失敗した地域もあり、サハラ以南アフリカでは、1日1ドル未満で生活する人は2001年には1990年より一億人近くも増加しました。
南アジアでは貧困率は減少したのですが、貧困者の絶対数は減少していないのです。
所得貧困削減の進展度は2つの要素、すなわち、経済成長とその恩恵を貧しい人々が教授する割合に関係しています。
経済が停滞する中で所得貧困削減を継続的に進めることに成功した国は残念ながら皆無です。
東アジアでは高度経済成長が所得貧困削減の中心的な役割を果たしてきました。
このように何かきっかけがないと所得貧困者を助けることは難しいのでしょうか。




不平等度と貧困度が高い国では、分配を少し変化させるだけでも貧困をかなり削減できます。

数カ国における家計収支のデータを用いて、最富裕層20%から所得を移転させ、
最貧層20%の国民の所得の割合を倍増させた場合の所得貧困における潜在的な影響を推計したデータがありました。
貧困層が多く、不平等度が高い国々では、最富裕層20%の所得の一部を移転させるだけで、
多くの人の所得を貧困ラインより上に引き上げることが出来るのではないかと、考えました。

ブラジルとメキシコでは最富裕層20%の所得を5%移動しただけで大きな効果を得られたそうです。
これはあくまで統計の上での計算ですが、つまり、これは富裕層よりも貧困層の富の増大により大きな比重を置いている国ならば、
そのことで不利益を被る人たちがいたとしても、社会全体では、富を増大させることが出来るのではないのではないでしょうか。
これは「貧困層重視」の考え方であって、このように国民全体が考えれば、貧困層の暮らしは良い方向に向かっていくのではないでしょうか。

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