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DNAはどのように挿入・置換されるのか?

前ページでは、DNAをどのようにして細胞へ入れるかを説明しましたが、では実際はそのDNAはどのようにして細胞のDNAに導入されるのでしょうか?

遺伝子ターゲティング

DNA操作の方法としてはまず、「遺伝子ターゲティング」が挙げられます。この方法は以下のように行われます。

まず、細胞と同じDNAに導入したい遺伝子を加える、または削除したDNAを細胞に入れます。このDNAのことを「ドナーDNA」といいます。 ドナーDNAをいれるとある一定の確率で、もともと細胞にあったDNAとドナーDNAがペアリングを起こし、これを起点に遺伝子が導入された、または 削除された状態のDNAがコピーされていきます。この仕組みを「相同組み換え(HR)」といいます。

トランスジェニック技術

遺伝子ターゲティング以外にも「トランスジェニック技術」という方法もあります。トランスジェニック技術は細胞核に導入したい遺伝子を入れて、 DNAに取り込ませるというものです。しかし、この技術最大の問題は狙った場所に遺伝子が挿入できないという点です。狙った場所に挿入できないと 思わぬ変異が起こる可能性があります。

今までの遺伝子治療、遺伝子組み換えでは「遺伝子ターゲティング」や「トランスジェニック技術」というものが使われましたが、 どちらも欠点があり、あまり遺伝子治療は世の中に広がりませんでした。

参考文献 書籍

  • 岩波科学ライブラリー 難病にいどむ遺伝子治療
    (小長谷正明、岩波書店・2016年 11月9日)
  • ゲノム編集の光と闇-人類の未来に何をもたらすのか)
    (青野由利 ちくま新書・2019年 2月10日)
  • マンガでわかるゲノム医学
    (水島-菅野純子 著 羊土社・2018年 8月5日)
  • トコトンやさしい ゲノム編集の本
    (宮岡佑一郎、B&Tブックス 日刊工業新聞社・2019年 3月19日)
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