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DNAの大量生産

遺伝子治療を多く行っていくには同じ遺伝子の大量生産が必要となってきます。遺伝子はどうやって増やすのでしょう? 増やし方の代表に、「PCR法」「プラスミド」というものがあります。

プラスミドベクターとは?

みなさんは「プラスミド」がどういうものか知っていますか?おそらくピンとくる人はほとんどいないと思います。 「プラスミド」とは細胞核の外にあるDNAのことをいいます。DNAは染色体だけではなく、ミトコンドリアなどの器官にも入っており、 細胞分裂時にに形質転換するという役割を担っています。では、プラスミドを使ってどのようにしてDNAを増やすのでしょうか? 下の図を見てください。

プラスミドは図のように、輪のようになっているのがわかると思います。プラスミドは主に大腸菌から取り出され、そのDNA に遺伝子を導入します。そして、プラスミドを大腸菌に戻します。すると、大腸菌が増殖するとともに、遺伝子導入されたプラスミド が増えていることがわかります。プラスミドベクターは簡単に目的の遺伝子を増やすことができ、遺伝子治療の効率化を図ることができます。

  • PCR法の開発によって、DNAを大量生産できるようになった。
  • 細胞核外にある、隠れたDNA「プラスミド」が活躍により、DNAを大量生産できるようになった。
遺伝子治療の普及には技術だけでなく、多くの人に治療を受けてもらえるように大量生産も必要ですよね。

参考文献 書籍

  • 岩波科学ライブラリー 難病にいどむ遺伝子治療
    (小長谷正明、岩波書店・2016年 11月9日)
  • ブルーバックス カラー図解 EURO版 バイオテクノロジーの教科書(下)
    (ラインハート・レンネバーグ、講談社・2014年 5月21日)
  • マンガでわかるゲノム医学
    (水島-菅野純子 著 羊土社・2018年 8月5日)
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