バイオ医療の今>DNAの大量生産>PCR法とは?

新型コロナ特設ページ

感染拡大が懸念されている新型コロナウイルスをバイオの目線で紐解きます。

PCR法とは?

ニュースなどでよく聞く「PCR法」とはどういった仕組みなのでしょうか?

PCR法とは、DNAの複製を利用し特定のDNAを増やす技術のことでアメリカ人のマリスによって発見されました。
PCR法は人の唾液や血液から取り出した鋳型DNAを耐熱性のDNAポリメラーゼなどを利用して、加熱、冷却、加熱を繰り返すことで目的のDNAを増幅させる方法です。 最初の加熱で二重らせんの水素結合が解かれ、一本鎖になります(変性)。その次の冷却ではプライマーが対応する配列と結合します(アニーリング)。最後の加熱でポリメラーゼが活性化し、DNAを合成していきます。(伸長)。

新型コロナウイルスなどのウイルスを検出する場合は逆転写をする必要があります。逆転写とはウイルスが持っているRNAをDNAに変換することで、これをしてからPCR法で検出します。

ワクチン

みなさんはワクチンをご存じですか?ワクチンというのは弱められた病原体を体内に投与して、体に抗体を作らせる技術のことでバイオ医薬品の一つです。ワクチンにはたくさんの種類がありますが、新型コロナのワクチンはこれまでのワクチンとは一味違うようです。

新型コロナのワクチン

ではこれまでのワクチンとの違いは何なのでしょうか。従来のワクチンは生ワクチンや不活化ワクチンと呼ばれ、病原体を直接投与しています。しかし開発されている新型コロナワクチンは「mRNAワクチン」という種類です。「mRNAワクチン」は病原体のタンパク質の情報を持ったRNAを投与し、体内で病原体のタンパク質を 作成させることで抗体を作らせる仕組みになっています。

新型コロナウイルスとの戦いにもバイオの力が必要不可欠なのです!

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