東レ株式会社さんに聞いてみた!?
東レ株式会社
私達は「東レ株式会社」にインタビューをさせていただきました。
東レ株式会社 水処理部門の田中さんに海水淡水化に関する事業について取材した内容や頂いた資料から東レ株式会社を紹介します。
目次
- 東レ株式会社って何の会社?
- 東レ株式会社の特徴
- 浸透膜の歴史について
- 逆浸透法を使用するメリットは?
- 今後解決したい、浸透膜で海水の浄化をする際の問題点はありますか?
- おまけ
- 東レ株式会社 水処理部門について
- 次に展開していきたい地域
- 参考文献
東レ株式会社って何の会社?
「有機合成化学(有機化合物の合成を研究する学問)」「高分子化学( 分子量がとても大きい分子について研究する学問)」「バイオテクノロジー(生物の持つ能力や性質を上手に利用し、人間の生活や、環境保全に役立せる技術)」という3つの技術を中心に発展させながら、「ナノテクノロジー」を融合させ、さまざまな分野のものを開発している。 海水淡水化では浸透膜を供給している!
東レ株式会社の特徴
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東レでは水処理で使われるRO膜(浸透膜)、NF膜(ナノろ過膜)、UF膜(限外ろ過膜)、MF膜(精密ろ過膜)を製造している
↑この4つの全ての膜を製造しているのは東レだけ! - また膜の研究・製造だけでなくグローバル展開しており、地産地消の考えから海外にも生産や販売拠点を構えている
浸透膜の歴史について
浸透膜という言葉があまり知られていないこともあり、2000年代の最新の技術のように思われがちですが実は1950年代から研究は始まっていたんです!
1950年代にアメリカで逆浸透(RO)膜基礎研究が開始され、1960年代にRO膜研究が本格的に開始されました。そして東レでは1990年代にUF膜、MF膜の研究が続々と開始されました。
RO膜自体は前から研究されていましたが、水不足がそこまで深刻な問題になっていなかったので、あまり使われることはありませんでした。
しかしここ最近で、水問題が深刻になり、需要が高まったことで膜処理技術は21世紀に必須の技術となりました。
Q. 逆浸透法を使用するメリットは?
以前の海水淡水化においては中東を中心に、
蒸発法が主流でしたが、現在は逆浸透法が世界中から注目を集めています。これはなぜなのでしょうか?
まず蒸発法には大量のエネルギーが必要であり、石油の使用や二酸化炭素の排出などから環境破壊の原因になってしまうというデメリットがあります。
しかし逆浸透法を使うことで、水処理の際に排出される80%の二酸化炭素を削減することができます。また蒸発法と比較した際に海水の使用量が少なく、回収率が逆浸透法の方が高いです。
そして設置費用も抑えられることから、逆浸透法を導入することで地球にやさしい海水淡水化装置を作ることができるのです。
Q. 今後解決したい、浸透膜で海水の浄化をする際の問題点はありますか?
A. 原水の種類に加え、地域によって異なる水の性質の違いにも対応した膜を研究していきたい。
おまけ
- 東レ株式会社 水処理部門について
- メンブレン事業第一部 RO膜を海外に販売
- メンブレン事業第ニ部 NF、UF膜を海外に販売
- メンブレン事業第三部 全ての膜を日本向けに販売
- メンブレン生産部(愛媛)
- メンブレン技術部(愛媛・滋賀)
- 水処理技術部(滋賀・愛媛)
- 地球環境研究所 膜を研究
- 次に展開していきたい地域
国内での組織
現在研究所を建て、研究を進めているインド(人口増加による水不足のため下水処理を進めていきたい)
東レ株式会社 田中さん、中嶋さん、ご協力ありがとうございました。
参考文献
バイオテクノロジーとは |
バイオ基礎コース
参照日:2023.10.14
あなたの暮らしを豊かにする有機合成化学 | 夢ナビ講義
参照日:2023.10.14
高分子化学(こうぶんしかがく)とは?
意味や使い方|コトバンク
参照日:2023.10.14
世界の水問題と膜処理法の優位性|水処理装置事業|東レ株式会社
参照日:2023.10.15
東レの膜技術と水処理装置事業の位置づけ|水処理装置事業|東レ株式会社
参照日:2023.10.15
海水淡水化とは|水処理装置事業|東レ株式会社
参照日:2023.10.15