海水淡水化完遂計画

取水方式の研究

浸透取水方式

取水技術とは、自然の力を利用してゆっくり海水をプラントに取り込む技術です。
大前提として、海水淡水化を行うには大きな施設が必要となります。
このシステムでは、海中に海水を取水する従来の「直接取水方式」ではなく、海底の砂の中に取水管を設置するという「浸透取水方式」を使用しています。
この技術は、「海の緩速ろ過システム」と呼ばれ、砂の中に管を設置することで、管に到達するまでに砂でろ過され、淡水になるというものです。

浸透取水方式

浸透取水方式のメリット

この方法には多くのメリットがあります。
ここでは、従来の「直接取水方式」は管が海中に露出しているのに対して、「浸透取水方式」は砂の中に設置されているため、海中に露出していない、という比較を軸にしたメリットを紹介します。

  • 漁業の妨げとなることがない
  • 従来の「直接取水方法」では海中に管という構造物が存在しているため、漁業などの妨げとなっていることがありましたが、「浸透取水方式」を利用することで、この問題が解決されます。

  • 強い波、波浪による管の損傷を防ぐことができる
  • 水質が安定し、ゴミや不純物が少ない綺麗な海水を作り出すことができる
  • 海底の砂がフィルターの役割を果たすため、綺麗な海になります。

  • 海の生態系を守ることができる
  • 取水管が魚の卵や海藻を吸い込むことがなくなるので、海の生物を犠牲にすることなく、生態系を保つことができます。

  • 清掃のコストが省ける
  • 取水管の中に付着してしまうフジツボなどの生物も砂がろ過してくれるためです。また、砂が波の影響で動くことによって目詰まりのものも取り除くことができます。

参考文献

ObayashiChronicle〜技術紹介〜
参照:2023.12.20
福岡地区水道事業団〜淡水化の仕組み〜
参照:2023.12.20
MIRAI PORT 〜海水の淡水化〜
参照:2023.12.20