画像をクリックすると拡大します
慣性式モーションキャプチャーは、体に装着した慣性の力を利用して動きを測定する慣性センサー(加速度計
体の動きや姿勢の変化を測定するために
直線加速度や傾きを感知するセンサーのこと、ジャイロセンサー
回転や角度を測定する
センサーのこと、地磁気計
地球の磁場を測定して方位を特定する
センサーのこと)から得られる加速度、角速度、方位情報を骨格モデルに当てはめて体の動きを計測する技術です。このシステムは、複数台のカメラでマーカー
計測したい各ポイントに付ける
反射マーカーのこと。反射素材でできており、光を反射することで、カメラや
センサーがその位置を正確に捉えることができる位置を直接計測する光学式モーションキャプチャーに比べ、時間経過による誤差やドリフト
センサーや計測機器が
時間とともに示す値が
徐々にずれていく現象、位置精度に弱点がありますが、カメラの画角に制約されることなく自由な空間内でモーションキャプチャーが可能です。
慣性式モーションキャプチャーの手順
センサーの装着
体の各部位に慣性センサー(加速度計
体の動きや姿勢の変化を測定するために
直線加速度や傾きを感知するセンサーのこと、ジャイロセンサー
回転や角度を測定する
センサーのこと、地磁気計
地球の磁場を測定して方位を特定する
センサーのことなど)を取り付けます。
センサーの初期設定を行い、正確な測定ができるように調整
センサーを初期化し、基準状態を設定して、測定精度を確保します。
データ収集・処理
センサーが体の動きや姿勢の情報をリアルタイムで収集します。収集したデータを解析し、体の動きや姿勢の変化を推定します。
画像をクリックすると拡大します
慣性式モーションキャプチャーには多くの長所と短所があります。それぞれを詳しく説明します。
長所
設置が簡単
センサーを体に装着するだけでセットアップが完了し、素早く計測を開始できます。
場所の制約がない
センサーを体に装着するだけで使用できるため、カメラやスタジオが不要になります。狭い空間や屋外でも自由に動きながら計測が可能です。
さまざまなシーンでの計測
エレベーター内やポケットの中など、光学式では難しい環境でも計測が可能です。
短所
位置精度が低い
絶対位置を直接測定せず、センサーから得られる加速度や角速度のデータを基に相対的な位置を算出するため、時間の経過とともに誤差が蓄積し、位置精度が低くなることがあります。特に長時間のキャプチャーや高精度が求められる場面では、位置情報の精度が劣る可能性があります。
磁場の影響が大きい
慣性センサーは磁場の影響を受けやすく、周囲の磁場が不安定な場合には、データの安定性が損なわれることがあります。鉄筋コンクリートの建物内や電磁波の多い環境では、磁場の変動がセンサーの読み取りに悪影響を及ぼすことがあります。
ドリフトの問題<センサーや計測機器が時間とともに示す値が徐々にずれていく現象>
ジャイロセンサー
回転や角度を測定する
センサーのことは、回転や角度を測定するセンサーですが、時間が経つと誤差が積み重なっていくドリフト
センサーや計測機器が
時間とともに示す値が
徐々にずれていく現象が発生します。これにより、長時間のモーションキャプチャーや高精度な動きのトラッキングが難しくなることがあり、センサーの測定結果が徐々にずれてしまい、正確なデータを維持するのが難しくなります。