機械式モーションキャプチャー

機械式モーションキャプチャーは、やなどのセンサーを使用して回転角や変位を測定する方式です。機械式モーションキャプチャーシステムは、人の動きを読み取る場面において、人体の各関節に機械的な角度計測装置を取り付け、その角度の変化から体の姿勢を読み取ります。具体的には、関節に取り付けた可変抵抗器を使用して角度を測定し、そのデータを基に体の姿勢を解析します。位置自体は計測せず、あらかじめ用意した骨格モデルと初期姿勢からの体の姿勢の変化を元に、腰の移動距離などを算出します。

機械式モーションキャプチャーの手順

システムのセットアップ
モーションキャプチャーシステムを組み立て、センサーや角度計測装置（やなど）を準備します。センサーの校正を行い、正確なデータが得られるように調整します。

センサーの取り付け
対象の人体や物体の各関節に機械的な角度計測装置（やなど）を取り付けます。

初期設定
センサーを適切な位置に固定し、初期姿勢や基準位置を設定します。

動作のデータ収集・記録・転送・解析
被験者が指定された動作を行い、その間にセンサーが角度や変位のデータをリアルタイムで収集します。収集したデータをコンピュータに転送し、解析用のソフトウェアに入力します。センサーから得られた角度の変化データを基に、全身の姿勢や動きの変化を解析します。

機械式モーションキャプチャーには多くの長所と短所があります。それぞれを詳しく説明します。

長所

コストが比較的低い
光学式システムと比べると、機械式モーションキャプチャーは比較的安価で導入できることが多く、予算に制約があるプロジェクトでも取り入れやすいです。

環境の影響を受けにくい
光学式モーションキャプチャーとは違って、光や磁場の影響を受けないため、環境条件に左右されずに安定したデータを取得できます。

初期設定が簡単
カメラの配置やキャリブレーション機器の測定結果が正確であることを
確認し、必要に応じて調整することが不要なため、初期設定が比較的簡単になります。

計測エリアの制約が少ない
カメラやセンサーの配置が不要なので、計測エリアに制限が少なく、広い空間でも使用できます。

高精度な動作測定
各関節に取り付けた角度計測装置（ポテンショメータ動作の角度や位置を
測定するために
使用されるセンサーやエンコーダ物体の位置や動きを
デジタル信号に変換する
装置）を使用して、動作の角度や変位を非常に高い精度で測定するため、動きの細かい部分まで正確に記録することができます。

短所

動きの制限
体に機械的な装置を取り付けるため、動きに制限がかかりやすく、自由な動作がしにくいことがあります。

装置の取り付けの手間
各関節に角度計測装置（ポテンショメータ動作の角度や位置を
測定するために
使用されるセンサー動作の角度や位置を
測定するために
使用されるセンサーやエンコーダ物体の位置や動きを
デジタル信号に変換する
装置など）を取り付ける必要があり時間がかかり、手間もかかります。

コストとメンテナンス
高精度の機械装置やセンサーを使うため、最初にかかる費用が高いです。装置を常に正しく動かすためには定期的にメンテナンスや調整が必要になり、これにもコストや手間がかかります。

ジャイロスコープやセンサーの小さな誤差が蓄積
長時間モーションキャプチャーをしていると、ジャイロスコープ物体の向きや角速度を検出する計測器やセンサーの小さな誤差が積もっていって、だんだんと位置や角度のずれが大きくなってしまいます。よって時間が経つと、動きの記録が少しずつずれていくことがあります。