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抗体の構造を詳しく

抗体は可変領域と定常領域に分けることができます。 可変領域はその名の通り形を変化することができ、異物と結合します。抗体によって可変領域の 仕組みが異なるため、様々な異物と結合することができるのです。定常領域は可変領域以外の構造を指し、変わることはありません。  

パパインでの分解

抗体をパパインという酵素にさらすと、3つに分解できます。これは抗体を結合させているジスルフィド結合が破壊され、抗体が切断されるためです。 このうち可変領域側の2つをFab領域、もう一方をFc領域といいます。 Fab領域はジスルフィド結合で結合し、可変領域をつくります。Fc領域はマクロファジーなどの働きを調整する物質の放出促進に一役買っています。

ペプシンでの分解

抗体を胃で分泌されるペプシンにさらすとパパインでの分解とは違う分解の仕方をします。 ペプシンでの分解ではパパインでの分解と異なり、ジスルフィド結合を残して分解されます。

参考文献 書籍

  • ブルーバックス カラー図解 EURO版 バイオテクノロジーの教科書(下)
    (ラインハート・レンネバーグ、講談社・2014年 5月21日)
  • はじめての免疫図鑑
    (岡田晴恵 日本図書センター・2020年 10月25日)
  • マンガでわかるゲノム医学
    (水島-菅野純子 著 羊土社・2018年 8月5日)
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