バイオ医療の今>バイオ医薬品の今 抗体医薬品

代表的な抗体医薬品

世界中で研究され、承認されるものもでてきた抗体医薬品。ここでは抗体医薬の大きなターゲットである がん分野で承認された抗体医薬品の仕組みをちょっとお見せしょう!

免疫の攻撃力を強め、抗原の機能を抑止させる

代表的な抗体医薬品として「HER2」を利用した乳がんの医薬品があげられます。 「HER2」というのは乳がんなどのがん細胞が膜に持つものでがんを増殖させる信号を出します。

抗体は「HER2」と結合することでがんの増殖を抑制することができます。さらにがんを直接攻撃するキラー細胞やマクロファージなどの働きを強めることもできます。 この医薬品は固形のがんに対して最初に承認された抗体医薬品で、この分野の先駆けとなった薬の一つです。

がんの攻撃から免疫守る

皆さんはオプジーボというものを聞いたことがありますか?これは「ニボルマブ」という免疫チェックポイント阻害剤の商品名でこれの発見により京都大学の本庶佑特別教授がノーベル賞を受賞しました。 がん細胞はがんを攻撃するT細胞の攻撃を停止させる仕組みを持っています。がん細胞の「PD-L1」がT細胞の「PD-1」と結合することでT細胞の攻撃にブレーキをかけているのです。

抗体医薬品はすでにがんに利用されています。今後、種類が増えてより多くの種類の病気が治るようになるかもしれません。

参考文献 書籍

  • はじめての免疫図鑑
    (岡田晴恵 日本図書センター・2020年 10月25日)
  • マンガでわかるゲノム医学
    (水島-菅野純子 著 羊土社・2018年 8月5日)
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。