Let's
~お茶を知る・飲む・考える~

「お茶離れ」について

お茶離れ


上のグラフはペットボトルの茶飲料とリーフ茶葉(=緑茶)の年間消費金額の推移を表しています。このグラフを見ると、 「お茶離れ」といってもペットボトルや抹茶ラテなどの茶飲料に使うお金は増えていて、お茶に支払う金額的には増加していることがわかります。 しかし、急須で入れるお茶のリーフ茶葉に使うお金が減っています。これの問題点は使用されている茶葉の種類と量が違うことです。

茶葉の量

急須で入れたお茶 ペットボトル飲料
5g/120ml 3g/500ml
1g/24ml 1g/約166ml

上の表は急須で入れたお茶とペットボトル飲料に使われている茶葉の量を表しています。この表を見るとペットボトルなどの茶飲料に使われている 茶葉の量はとても少ないことがわかります。このように急須で入れたお茶とペットボトル飲料に使われている茶葉の量は約7倍ほど違います。

茶葉の種類

ペットボトル飲料に使われているお茶は三番茶、四番茶がとても多いです。一般的に一番茶は価格が高く、急須などで入れるためのリーフ茶として使われます。 三番茶、四番茶の価格は一番茶に比べて安く、ペットボトル飲料で安く提供するために使われています。そのため、ペットボトル飲料の消費量が増加すると 価格が低い三番茶、四番茶は売れますが、価格の高い一番茶は売れにくいです。そのため、相対的に価格が低下しています。また、「一番茶使用」などの表記が あっても使われている一番茶の量は少しだけということが多いです。そして、ペットボトル用の茶葉からの抽出技術も上がっていて茶葉を使用する量が減少しています。

実際に携わる人の考え

お茶離れについて

今回取材させていただいた、伊勢農協さんで実際にお茶を担当している方に お茶ばなれ(急須離れ)についてはどう思って居ますかと質問しました。すると、「時代は動いているので仕方がないことです。 しかし、急須で入れるお茶のおいしさを宣伝することは継続していき、さらに今までの飲み方に代わるお茶の消費方法をみんなで考えて普及させ、 茶生産者の収入を安定させることにつなげたいです。」とおっしゃっていました。確かに急須でお茶を飲むことが多かった時代からペットボトル 飲料が主流になった現代まで目まぐるしく時代は変化しています。しかし、急須で飲むお茶は日本の大切な文化の一つです。そのため、みんなで 協力して考えながら守っていく必要があると感じました。

消費者にしてほしいこと

「消費者に何かしてほしいこと、知ってほしいこと、伝えたいことがあれば教えてください。」と質問しました。すると、
「コーヒーを飲む代わりに一度急須を買って自宅でおいしいリーフ茶を飲んでください。コーヒーでは味わえない緑茶にしかない良さを感じることができるはずです。」 とおっしゃていました。

参考文献

農林水産省 茶業及びお茶の文化の振興に関する基本方針現状と課題
リンク:https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/cha/attach/pdf/kihonhou-18.pdf
の資料を一部加工して使用。