基礎知識>DNAの複製 タンパク質の合成

DNAの複製

染色体が分裂するときには同時にDNAも複製しなければなりません。では、どのようにしてDNAは複製されるのでしょう? DNAは複製するときに「半保存的複製」というものを行います。半保存的複製というのは、DNAを完全に分解せずに 下の図のように「一部分をほどきながら」DNAを複製していきます。これが「半保存的」といわれる所以です。

DNAがほどかれると、そこにDNAの材料となる塩基、リン酸、糖(デオキシリボース)が集まります。 そして、ほどかれたDNAを参照にDNAを組み立てます。これをほどかれたDNA2本の鎖それぞれで行うことで、 結果的に同じDNAが2つできたことになります。

タンパク質の合成

DNAの役割は簡単に言えば「タンパク質の設計図」です。DNAはそのような理由から生命の設計図ともいわれることもあります。 では、DNAをもとにどのようにタンパク質がつくられるのでしょうか?

タンパク質の合成には「mRNA」、「tRNA」、「rRNA」の3つのRNAが活躍します。上の図のようにmRNAはDNAから、「タンパク質のレシピ」を もらい、「転写」をします。その後、リボソームにてmRNAに「どのようなタンパク質の”設計図”なのか」読み取る「翻訳」をします。そしてtRNAは”設計図”に書かれたタンパク質の合成に必要なアミノ酸を運びます。rRNAはリボソームでタンパク質の合成をします。 こうして、タンパク質が合成されていくのです。

  • DNAは「半保存的複製」といわれる方法で複製する。
  • DNAは「生命の設計図」と呼ばれていることもある。
  • タンパク質合成には「mRNA」、「tRNA」、「rRNA」の3つのRNAが活躍する。
  • タンパク質はリボソームで合成される。

参考文献 書籍

  • ブルーバックス カラー図解 EURO版 バイオテクノロジーの教科書(下)
    (ラインハート・レンネバーグ、講談社・2014年 5月21日)
  • トコトンやさしい ゲノム編集の本
    (宮岡佑一郎、B&Tブックス 日刊工業新聞社・2019年 3月19日)
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。