質問:お茶の生産量は今どのように変化していますか。 |
回答:後継者不足や茶価下落により年々減少しています。 |
質問:お茶の消費量はどのように変化していますか。 |
回答:ペット飲料が普及して消費量が減少しています。支出金額ではリーフ茶は減少していますが、茶飲料(ペット茶や抹茶ラテなど)が増加していて全体的には増加傾向です。 |
質問:コロナウイルスで生産量や購入量に変化はありましたか。 |
回答:コロナ禍になってイベントや会議がなくなりペット茶の消費が減少しました。また、旅行もいかなくなり、旅館で飲んだり、お土産として買ったりすることが減りました。 |
質問:茶葉の価格が様々な影響によって低下していると聞いたのですが、それはどんな状況ですか。 |
回答:一番茶(急須で飲む用の茶葉)の生産が減少していて、ドリンク向け、三番茶・四番茶の生産が増加しています。茶価は一番茶が一番値段が高く、二番茶からだんだんと安くなります。そのため、三番茶・四番茶の生産が増え、一番茶の生産が減ると収入の減少につながります。 |
質問:その原因は何ですか。 |
回答:消費者のリーフ茶離れです。お茶ではなく、コーヒーや紅茶を飲む消費者が増えたことや、茶を飲む消費者でも面倒な急須ではなく簡単に飲めるペットボトルを選びます。 ペットボトル製造業者は原料費を抑えたいので、主に使用する原料は三番茶・四番茶です。「一番茶使用」の表記があっても一番茶の使用量はほんの少しだけです。また、ペットボトル用の茶葉からの抽出技術も向上しており、茶葉使用量も減少しつつあります。 |
質問:農業に使う備品などの価格が高くなっていると聞いたのですが、それはどんな状況ですか。 |
回答:円安、ウクライナ情勢、中国の肥料輸出規制等により、肥料や重油を多く使用するお茶生産にとっては原料費がとても高騰しており、生産者収支を圧迫しています。 |
質問:対策などが難しい話だと思うのですが、何か対策のようにやっていることがあれば教えてください。 |
回答:国や行政による補助金(茶セーフティーネット構築事業、肥料高騰対策事業等)を活用したり、JAや生産者段階での対策には限界があり、国による支援を強く要望しています。 |
質問:最近は種子高齢化の影響でお茶農家さんでも後継者不足が進んでいると聞いたのですがどれくらい後継者不足は進んでいますか。 |
回答:JA伊勢生産者平均年齢70歳で、平均年齢は上がる一方です。やはり茶価下落が影響しており、茶工場経営をする場合は導入機器も高額であることから利益が少なく、今からお茶を清算しようという方はなかなかいません。そのため、大きな農家が減少し、大きな農家だけ残るような状況になりつつあります。ちなみに、JA伊勢で一番大きな農業法人で50haを栽培しています。 |
質問:農業をする中で後継者不足の原因となるような一番大変なことは何ですか。 |
回答:農業は中途半端な規模で経営したり、品目によっては国等の補助金を活用しないと経営が難しい場合が多いです。(九州や北海道は栽培条件や補助金の多さが違うので該当しない) |
質問:現在後継者不足について何か取り組みなどをしていることはありますか。 |
回答:農業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めていきます。これにより、人間がする作業を機械やITに助けてもらうことができ、省力化につながります。また、高齢者でもなるべく用意に栽培管理できるように肥料や農薬を巻く回数を減らせるような栽培計画をJAから提案しています。 |
質問:お茶離れ(急須離れ)についてどう思っていますか。 |
回答:時代は動いているので仕方がないことです。しかし、急須で淹れるお茶のおいしさを宣伝することは継続し、さらに今までの飲み方にかわるお茶の消費方法をみんなで考えて普及させ、茶生産者の収支安定につなげたいです。 |
質問:消費者にしてほしいことや知ってほしいこと、伝えたいことがあったら教えてください。 |
回答:コーヒーを飲むかわりに一度、急須を買って自宅でおいしいリーフ茶を飲んでください。コーヒーでは味わえない緑茶にしかない良さを感じることができるはずです。 |