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中谷自然農園



中谷自然農園さんにメールで取材しました。


中谷自然農園ではどのような獣害を受けましたか?


私共は家族で野菜を栽培し、採卵鶏を飼って暮らしています。
イノシシアナグマハクビシン、などに畑を荒らされたことが数多くあります
キツネタヌキイタチ野犬、などに鶏が襲われたことが多数あります



獣害に対する対策、獣害の頻度を教えてください。

30数年やってきましたので 頻度に関しては数えきれないくらいありますが、
これは獣との知恵比べのようなもの
よくいたちごっこと言われますが、私たちも被害に遭うたびに、学び、考え、経験をもとに対策を改善してきました
その結果、近年は、まず鶏は完全に被害がなくなりました。
これは鶏が日々過ごす鶏舎が、獣が侵入する隙のないものに改善できたからです。

畑も作物の被害はずっとありません。
対策としてはワイヤーメッシュを張り巡らせています
その中でもワイヤーメッシュのどこをどのように補強すればよいかなどを研鑽し、改善できたからです。
数年に一度、管理が行き届かずに進入を許してしまうことがあったりもしますが、
そこが破られても、二重、三重と、作物に至るまでにワイヤーメッシュの壁を作っていますので
作物がやられることはありません(マリア・ローゼ・シーナのようなかんじです)

今、害獣のことで一番困っていることはなんですか?

労力がかかる 費用がかさむ 時間がとられる
獣害対策には半額程度の補助はしてもらえますが。

現状 被害はとくにないようには対策が出来てきましたが
「今」大丈夫なだけです。獣たちも知恵があり、学習して対策をしてくると思います。
鶏舎やワイヤーメッシュその他、消耗品のため老朽化してきます。
弱いところができれば必ず侵入しようと、そこを攻めてきます。
常に目を光らせ管理して
例えば 草刈りなどをこまめに行い 獣が潜む場所をつくらないだったり。
そういったことをきっちりやるには労力がかかります。
維持していくのにお金もかかります。
将来 高齢になれば体力もなくなります。今と同じように管理は難しいと思います。
資材が古くなり買い替えるとしたらその金額に見合った作物の生産ができるかどうかで
資材の更新をしないかもしれません。
実際、以前は作物をつくっていた畑でも
獣害対策にたくさんお金をかけてまでは・・・ といったことで放置してある場所もあります
過疎化がすすむ地域の農村ではそういったかんじで放置してある場所がたくさんあると思います
人間の手が行き届かないとますます獣たちの天下となっている気がします

熊や鹿などの動物と人間の双方にとって良い世界を作っていくために人間ができることは何だと思いますか?

難しい問題ですね。日々どうすればよいのか考えながら暮らしています。

獣を駆除する猟師の数が減ってきている猟師を増やさなければと云われています。
また、人間が自然環境を破壊して
獣たちが住む環境を奪ってきたしっぺ返しだとも云われています。
獣たちにとっても豊かな自然環境を取り戻さなければと。
30数年前、私共は街に住んでおりました。
田舎に移住して、畑を獣に荒らされ、鶏が襲われ、はじめて獣を身近に感じました。
街に暮らしていた頃は遠い存在であまり考えもしませんでした。
現在の社会が自然から遠く離れた暮らしになり過ぎているように思います。
みんなが当事者意識をもち、本当に自分自身の問題として考えていくことがまず大切なのかと思います。
もう少し自然に根差した社会になればいいなと日々思っています。
みんながもう少し自然に還ればいいなと。



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