避難生活について知ろう 

避難所はどんな状況だったの?

東日本大震災では、地震や津波による被害だけでなく、原子力発電所の事故が発生したために、約16万人が避難生活を余儀なくされました。

復興庁の資料によると、東北の避難者数は約28万人であるため、全避難者のうち約4割の人が原発事故による避難をしたことになります。

想像を超える避難者を収容することになった避難所では、多くの問題が発生しました。
いったいどんな問題があったのでしょうか。

例えば、避難所では、段ボール1枚でしかプライベートなスペースを区切ることができなかったため、周囲に気をつかって着替えがしにくい女性の方がたくさんいました。 また、知らない人が多くいる場所なのに、鍵をかけることもできない状態に恐怖心を覚えた方もいたそうです。


(↑当時の避難所の写真 資料提供:福島大学 天野和彦教授)

その他にも、たまたま一緒に避難してきた近所の男性の方と、同じスペースに誘導されてしまった女性の方もいたという話を聞きました。 避難を余儀なくされ、ただでさえ、体力も減衰している状態で、周囲にずっと気をつかって心が張りつめている状態では、精神的にもかなり衰弱したと推測されます。

また、ある避難所では、ノロウイルスが流行っていたそうです。ノロウイルスは感染症であり、避難所のような、人が多く衛生環境もあまり良いとは言えない場所では、またたく間に拡散します。

震災で亡くなった方は、地震や津波で直接被害を受けた方だけではありません。家族を失い、生きがいをなくした方が家族を追って自殺してしまうケースや、ストレスによりなくなってしまう方が多くいました。このような死を震災関連死といいます。福島では、直接的被害による死者より、このような震災関連死による死者の方が多かったといわれています。(出典:福島大学天野和彦教授の資料)

一方、快適とはいえない避難所での生活を、少しでも改善するために奔走した人々もいました。

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