津波について知ろう

津波の被害はどんなものだったの?

警察庁によると、東北地方太平洋沖地震による約1万5400人の死者の内、9割以上の死因が溺死と推定されています。

気象庁の記録によると、福島県相馬市で高さ9.3m以上、場所によっては10m以上の高さの津波が押し寄せた地域もありました。これは、当初予想されていた高さよりはるかに高いものでした。

津波の威力というものは凄まじく、約30cmの津波で人間は簡単に溺れて命を落とす危険性があります。また、押し波だけでなく、引き波もあるため、少しでも巻き込まれると命に危険が及びます。

(イメージ画像(メンバー作成))
↑海面付近の海水だけが押し寄せる普通の波とは違い、津波は波長が数km〜数百qにも及び、海水全体が押し寄せます。
波が地を飲み込むようにして襲ってくるのです。
また、津波が引いていくときも、同じまたはそれ以上の威力を持つので、大変危険です。

津波は自然災害であるため、人間の力で完全に防ぐことはできません。 津波による被害を防ぐためには主に、堤防を立てるなどのハード対策と、ハザードマップや避難訓練の強化などのソフト対策があります。

ハード対策はすぐに取り組めるものではありませんが、ソフト対策なら、1人1人の意識で取り組むことができます。

多くの死者を出したこの大津波ですが、山の上などの高いところに避難したことによって守られた命もたくさんあるのです。

【おまけ※教訓〜津波てんでんこ〜】
津波てんでんことは、津波の被害を何度も受けている三陸地方沿岸部(東北地方太平洋側)の人々から生まれた、津波から逃れて命を守るためには、各自ばらばらの方向に逃げろといった意味を持つ言葉です。
東日本大震災の被害を受けて、津波避難の標語として広まっていった言葉でもあります。

海に囲まれた日本なら、いつどこで地震が発生し、津波を伴ってもおかしくありません。
津波の被害から得た教訓をどのように伝えていくかが、私たちにとって非常に大切なことなのです。

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