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次に、原発を使用していない国であるニュージーランド、原発が1基のみ稼働しているオランダの高校生を対象に、グーグルフォームを用いて行ったアンケートを、母数は小さいですが、日本と比較しました。なお、円グラフの数値はすべて回答数を表しています。
[Q1]
震度3以上の地震が発生した時にあなたが最も不安に思うことはなんですか。(基本は1つ選択だが、複数選んでいる人はすべてカウントしている。)
[結果]
[分析]
家族の安否が最も心配という点は日本と共通していました。しかし、建物の崩壊を心配する声がなかったのは、母数が小さいとはいえ、日本に比べ、高層の建物が少ないなどの違いがあると考えられます。また、日本と同じく島国であるニュージーランドは、やはり津波に対する危惧が大きいことがわかりました。
[Q2]
普段の生活で地震に対して備えていることはありますか。
[結果]
[分析]
ニュージーランドは、地震対策をしている人が多い印象を受けました。ヨーロッパに「はい」が全く見られなかったのは、調査数の問題もあると思われますが、ヨーロッパではあまり地震が起こらないことに影響されていると考えられます。
[Q3]
Q2で「ある」と答えた人に伺います。その対策は、具体的にはどのようなことですか。(複数回答可)
[結果]
その他(ニュージーランド)
テーブルなど隠れられる近いものを探し、潜って机を握って揺れが収まるのを待つよう学校で教わる・安全な場所に避難する・生存のために暴力的になる
[分析]
日本と比較して、ニュージーランドの地震対策は、物質面だけでなく、家族とのコミュニケーションをもったものも積極的に行われているようでした。また、「その他」の解答を見ると、まずは自分の身を守るということを学校で教わり、重視している人が多いようです。
【原子力発電に関する質問】
[Q1]
原子力発電についてあなたはどんなイメージを持っていますか。(複数回答可)
その他(ニュージーランド)
原発が爆発し、地域が汚染されると死ぬ・爆弾
[分析]
日本は、「CO2を排出しない」をはじめとした原子力発電に対するプラスイメージが根強いようにみられます。一方、海外では、「危険」「放射性物質を発する」といったマイナスイメージが多く見られました。この原子力発電に対するイメージの違いが、それぞれの国のエネルギー政策に関与していると考えられます。
[Q2]
あなたは自分の住んでいる国が原子力エネルギーを使うことについて賛成しますか。
[結果]
[分析]
海外の方が、圧倒的に日本よりも原子力反対派が多数でした。実際に原発が採用されていないこともありますが、日本と世界の原子力発電に対する意識が根本的に違うことを痛感しました。
[Q3]
東京で使用する電気を福島の原子力発電所で作っていたことに対して何か思うことはありますか。
[結果]
・電気を必要とする緊急性で原子力に頼るのは簡単な解決に見えるが、長期的には不合理で危険(ドイツ)
・良いが、問題起きたらどうするのか(ニュージーランド)
・近隣住民が危険。近くで監視する必要がある(ニュージーランド)
・東京のニーズを満たすことは必要だが、より危険の少ないものに移行すべき(ニュージーランド)
・良い。東京は日本の首都で大都市だから(ニュージーランド)
・環境にやさしい方法を見つける必要がある(ニュージーランド)
・震災前は有益だったと思う(ニュージーランド)
・ほかの方法を見つけるべき(ニュージーランド)
・否定から入るのは好きでないから、望んでいるなら良い(ニュージーランド)
・代わりに太陽光や風力を使うべき(ニュージーランド)
[分析]
「別によいと思う。東京は日本の首都だから。」と肯定する声がある一方、「問題が起きたらどうするのか。」と、責任の取り方を追及する声も多くみられました。原子力に代わるエネルギーとして、再生可能エネルギーの利用をすすめる声も多く、日本のエネルギー利用について改めて考えさせられる結果となりました。