原発事故について知ろう

放射線による人体へのリスクを考えよう

原子力発電が「危険」と言われているのは、燃料として使われるウランなどが人体に危険を及ぼす放射線を発するからです。

放射線とは、光の仲間で、高いエネルギーを持っている電磁波のことです。また、この放射線を出す能力のことを「放射能」といい、放射線を発する物質自体のことを「放射性物質」と呼びます。

放射能には「半減期(放射性物質の量が半分になる時間)」があり、対数関数的に減少するものの、永遠に0にはなりません

この性質のために、放射性廃棄物は蓄積され、場合によっては、労働者や近隣住民に影響を及ぼすこともあるのです。

放射線が人体に影響を及ぼすのは、主に、放射線が遺伝子を伝えるためのDNAを破壊することに起因しています。人体に危険な放射線の働きは、大きく分けて2つあります。

※以下の画像は全てメンバー作成のイメージ画像です。

@直接作用…DNAの二重らせん状の鎖に電子(ベータ線の場合)が直接衝突することで、その部分がエネルギーを受け取り、不安定になって切れる。

A間接作用…電子がDNAの周りに存在する水分子に衝突し、そこから出た電子が周囲の他の電子にぶつかって発生する活性酸素という物質がDNAを切る。

(放射線がDNAに与える影響の70%は間接作用)

直接作用や間接作用によって切れたDNAは、細胞によって修復されようとしますが、その時に少なからず修復ミスが発生します。この遺伝子の「突然変異」の蓄積でガン細胞が生まれ、最終的に発ガンにつながるのです。

放射線は常に、宇宙や地面、建物などから放出されています。このような外界から自然に受ける被ばくとレントゲンなどの外的要因による被ばくなどを合わせて、外部被ばくと呼びます。

また、空気を吸ったり食べ物を食べたりすることで起こるものを内部被ばくと呼びます。内部被ばくを起こす放射性物質は、体の中に蓄積されるという恐ろしさを持っています。

【放射線のレベルの図】

画像をクリックするともう少し詳しい図が出るよ!

Sv(シーベルト)(1Sv=1000mSv)…放射線の人体への影響を表す単位

Gy(グレイ)…放射線の運動エネルギーが物質や人体に吸収される量を表す単位

Bq(ベクレル)…放射性物質の強さを表す単位

参考:環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料 平成29年度版」

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