第一三共ヘルスケア株式会社について

~目次~
第一三共ヘルスケア株式会社について

第一三共ヘルスケア株式会社は、人々の健やかな毎日を支えるために、一般用医薬品(OTC医薬品)を中心に、スキンケアやオーラルケア(歯みがきなど)といった分野も幅広く展開されています。
コーポレートスローガンは 「Fit for You  健やかなライフスタイルをつくるパートナーへ」。
一人ひとりの生活に寄り添い、こころとからだの健康をサポートする企業として活動されています。
国内の薬局・ドラッグストア等での売上構成は、医薬品が約70%、スキンケアとオーラルケアが約30%で構成されています。
また、近年は新たな取り組みとして、海外事業への展開、機能性食品など新カテゴリーへの挑戦、通信販売など販売チャネルの拡大等にも積極的に取り組まれています。

第一三共ヘルスケア株式会社のOTC医薬品

第一三共ヘルスケア株式会社には、解熱鎮痛薬・外用消炎薬のロキソニンシリーズをはじめ、風邪薬のルルやプレコール、殺菌消毒薬のマキロンなどのブランドがあり、その他、胃腸薬やアレルギー用薬、しみ・そばかす対策薬など、日常のさまざまな症状や疾患に対応するOTC医薬品を幅広く展開しています。

(画像引用元:第一三共ヘルスケア株式会社
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第一三共ヘルスケア株式会社に取材
『薬のパッケージデザイン』について
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私たちは、ドラッグストアで多くの種類の薬が並ぶ中、どれを選べば自分の症状に合うのか迷った経験があります。その経験から、OTC医薬品のパッケージデザインに関心を持ち、今回お話を伺いたいと思いました。

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ドラッグストアで多くの薬が並んでいる中で、御社は「選びやすさ」をどのように意識してパッケージを設計されていますか。高齢者や初めて薬を買う人が迷わないためのデザイン上の工夫はあるのでしょうか。

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多くの商品が並ぶ店頭では、視認できる限られた範囲で必要な情報をきちんと伝えられるようにデザインを工夫しています。具体的には、間違えて手に取られることがないよう、効能効果や規格、容量は大きく表示して目立つようにし、誰にとってもわかりやすくなるよう、配慮しています。加えて、店頭では商品が縦置きになることもあるため、どの面を見ても製品名や情報がわかるように工夫しています。どのように置いていただいても、しっかりと情報が伝わるよう、デザインを整えています。

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第一三共ヘルスケア

さらに、長年続くブランド(マキロンなど)については、ブランドイメージを守りながら、時代のニーズや生活者にあわせてデザインを調整しています。

マキロンの歴史
1971年

殺菌消毒薬「マキロン」を発売

1981年

すり傷・きり傷などの効能の表示を追加

1983年

効能に合わせ用法・用量や成分も表示

情報量を充実

1987年

キャップやロゴの色が一部変更

容量が60mLから70mLになる

1994年

キャッチコピー「シュパッと殺菌 シュパッと清潔」

容量が75mLになる

1997年

キャッチコピーと効能表示を目立たせたパッケージに刷新

成分表記は裏面に移動

2006年

処方を変更した『マキロンs』にリニューアル

表面に『殺菌消毒薬』と表示

現在

殺菌消毒成分に加え、皮膚の修復を助ける成分が配合されていることを表示

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ロキソニンEXテープLを先日購入し、パッケージの前面は文字の部分が金色だったり、少し凹凸があるのに気づきました。どのような意図や役割があるのでしょうか。

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第一三共ヘルスケア

製品のパッケージデザインでは、店頭での見つけやすさと品質保持の両方を考えて工夫しています。たとえば、上位品やプレミアム感を出したい製品では、金色やホログラム加工などで目立たせることで、製品のイメージが生活者に伝わるようにしています。また、店頭に商品を並べたときに、似ている製品名でも異なる特徴を持っていることが分かるよう、加飾を加えて違いがわかる様にしています。 さらに、包装の形状や凹凸は見つけやすくするだけでなく、隠れた工夫ポイントです。製造番号や使用期限の印字が擦れて消えないように凹ませたり、奥行きの幅がないパッケージが店頭で倒れないように形状を調整したりして、品質を守りつつ安定して陳列いただけるようにしています。加飾のように見えても、こうした工夫は機能的な意味を持っています。 見た目だけでなく、開封しやすさや見やすさ、安全性、使いやすさも考えて工夫をしています。

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薬のパッケージをデザインする際は、ユーザー調査やユーザーテストは実施されていますか。もしあれば、どのような方法で行っていますか。(実際に利用者からの声を聞いて、改善した事例はありますか。)

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パッケージデザインを作る際には、ユーザーアンケートや実際のテストを行い、複数のデザイン案の中から「よりわかりやすい」「手に取りやすい」といった評価をもとに絞り込んでいます。商品によっては、実際に店頭に並べさせていただき、生活者がすぐに識別できるかどうかを確認することもしています。また、開けやすさについては社内での検証を行い、改善点を検討しています。 実際にお客様の声を受けて改良した例として、マキロンsのパッケージがあります。以前はシュリンク包装(外装フィルム)だけで開けにくかったため、簡単に開けられる補助部分を追加し、手軽に開けられるように改善しました。また、第一三共胃腸薬錠剤sは、お客様の声からキャップの大きさを検証し、握りやすい大きさに変えたことで、お客様からの開けづらいというご意見が少なくなりました。こうした改良は、お客様の声をもとに製品の使いやすさを向上させた取り組みの一つです。

(画像引用元:第一三共ヘルスケア株式会社
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薬機法や表示規制がある中で、「もっとこうしたい」と感じている課題などありましたら教えていただけると嬉しいです。(規制や安全性を守りながら、今後どのような工夫で「誰もが使いやすい」パッケージを目指していきたいと考えていますか。)

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おっしゃるとおり、OTC医薬品のパッケージ表示については様々なルールがあり、ルールにのっとったうえで何ができるかを日々検討しています。「誰もが使いやすいデザイン」を目指し、弊社ではユニバーサルデザインについて、2024年度に本格的に取り組みを開始しました。2023年度にプロジェクトを立ち上げ、方針や運用体制を整えたうえで、2024年度から正式に運用を開始しました。第一三共ヘルスケアとしての基本方針は、「生活者の目線で使いやすいものづくりを推進する」というもので、弊社のスローガン「Fit for you 健やかなライフスタイルをつくるパートナーへ」に沿って生活者の視点を重視しています。 具体的には、製品を作る際に意識すべき「9つのこころがけ」を設けています。これは、安全性、選びやすさ、見やすさ、わかりやすさ、持ちやすさ、開け閉めのしやすさ、取り出しやすさ、使いやすさ、環境配慮(リサイクルや捨てやすさ)です。さらに、製品ごとにチェックリストを作り、どの項目が実施されているかを確認しながら開発を進めています。また、パッケージだけでは補えない情報を二次元コードでウェブと連携させるなど、さまざまな人が使いやすいように工夫しています。社内では研修も実施しており、一人ひとりがユニバーサルデザインを意識し、製品改良の際には常に改善点を取り入れられるようにしています。

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パッケージデザイン以外に、服薬支援に役立つと思われる要素(販売現場での工夫、説明書、デジタル補助など)はありますか。

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先ほども少し触れましたが、弊社では、パッケージの文字が読むことが難しい方、日本語が読めない外国人の方に対しての情報提供の一環として、製品パッケージに二次元コードを掲載しています。この二次元コードを読み取ると、弊社のコーポレートサイトの製品情報ページにアクセスできます。その製品情報ページは、テキスト情報を音声で伝える読み上げソフトに対応しているため、視覚障がい者にも製品情報を提供することができます。また英語や中国語の自動翻訳するツールも導入しており、日本語以外でも正しい情報提供ができるように対応しています。また、製品パッケージ以外に、添付文書にも製品情報にアクセスできる二次元コードを付けることを検討中です。 このほか、弊社コーポレートサイトでは障がいのある方を含む多くの方へ正しい情報提供ができるよう、ウェブアクセシ ビリティに対応しています。

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第一三共ヘルスケア

さらに、店頭での工夫も大切にしています。例えば目薬カテゴリーの製品であるマイティアルミファイについては、「本品はコンタクトレンズをしたまま点眼できません。コンタクトレンズを使用されている方は装着の5分以上前に点眼してください。」といった適正使用を促すポップを用意しており、生活者が正しい使い方をできるようにしています。また、解熱鎮痛薬のロキソニンSシリーズについては調剤カウンター用の情報シートがあり、シリーズ内の製品の情報(1回何錠や、各製品の特徴など)がまとめられています。これにより生活者が自分に合った製品を選んでいただけるようにしています。要指導医薬品・第1類医薬品の販売時には「使用者向け医薬品ガイド」を活用いただき、注意事項や使用方法の確認をサポートしています。 店頭にはレールに差し込めるPOPやボードなど、さまざまな資材がありますが、これらにより、製品を目立たせることに加え、生活者が安心して薬を選ぶことができるような環境を整える一助となればと考えています。

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服薬支援
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医療用医薬品のPTPシートで、識別用のオリジナルシンボルが表記されている取り組みがありますが、このアイデアはどのように生まれたのでしょうか。また、デザイン上の工夫やこだわりがあれば教えてください。私たちもこのアイデアは非常に有効だと考え、一般用医薬品(OTC医薬品)のPTPシートに取り入れる服薬支援デザイン構想を描きたいと思っています。

(画像引用元:第一三共エスファ株式会社
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第一三共ヘルスケア

弊社は一般用医薬品(OTC医薬品)を取り扱う会社であるため、今回質問頂いた医療用医薬品における包装の工夫については詳しくありません。そこで、以前グループ会社であった第一三共エスファ株式会社に確認し、いただいたコメントをそのままお伝えします。
薬局には、同一成分・同一規格の医療用医薬品が多数置かれていることから、調剤業務の効率化や取り違え防止が課題となっています。特に、名前が似ていて効果が異なる薬が並ぶ場合、直感的に間違いに気づきにくいことがあります。 この問題に対応するため、PTPシートには識別用のオリジナルシンボルを入れています。シンボルは疾患や用途に応じて直感的にわかるようにデザインされており、血圧の薬やアレルギーの薬など、薬の種類を見た目で判断できるようになっています。また、先発医薬品から、成分や規格等が同一で治療学的に同等である後発医薬品(ジェネリック医薬品)に切り替える場合でも、同系統の色を使用する等の工夫も行っています。 各錠剤の近くにシンボルを配置することで、薬剤師や患者様がどの薬かすぐに識別できるようにしています。シンボルデザインは複数案を用意し、薬剤師へのアンケート結果をもとに最終決定されています。 ポジティブな評価としては、取り違え防止に役立つことや、患者様への説明の際にコミュニケーションツールとして活用できることが挙げられます。一方で、ネガティブな意見としては、シンボルによって製品名そのものの識別がやや目立たなくなる場合があることが報告されています。

まとめ

第一三共ヘルスケアのパッケージは、見た目の華やかさだけでなく、使いやすさや安全性まで考えられていて、とても工夫されていると感じました。パッケージの形を工夫して陳列時の安定性を保ったりしていることは、今回初めて知り、とても驚きました。さらに、開けやすさや持ちやすさ、視覚に配慮した「ユニバーサルデザイン」の考え方を取り入れ、社内検証やアンケートを通して改良している点も印象的でした。 実際にマキロンのパッケージを改良した例では、開封補助やキャップの形状を変えることで使いやすさがぐんと良くなり、生活者の声を反映させる大切さを改めて感じました。また、二次元コードで多言語や読み上げ対応の情報にアクセスできるようにして、外国人や視覚障がいのある方にも配慮している点も素晴らしいと思いました。 このように、見た目だけでなく安全性や情報提供まで考えられたパッケージは、誰でも安心して使えるように工夫されていて、とても参考になりました。第一三共ヘルスケアの薬のパッケージは、未来につながる服薬支援デザインにとても参考になるお話となりました。

参考文献及び参照日

第一三共ヘルスケア株式会社 (参照日:2025年10月11日)

第一三共エスファ株式会社 (参照日:2025年10月11日)