冷燻法 - 長期保存するのに適する |
製作するためには時間がかなり掛かりますが、長期保存には最適な冷燻法。生ハム、ドライソーセージ、いぶりがっこなどはこの方法で作られています。
この方法は、食材に熱を通すのではなく煙を当てるということが大切です。燻煙する温度は15~30℃です。そのため秋から春までに行うことが多いです。ですので、夏に行うときは温度管理が大変なので、スモーカー内の温度が30℃以上になる時は氷を使うなどの工夫が必要になってきます。お店で売られているような商品は、とても大きな設備を使い約5~20日という長い時間をかけて作られています。長時間燻製するので、どの燻煙法よりも保存性が高く、しっかり乾燥するので固く仕上がります。味も歯ごたえもよく、旨みがあふれる仕上がりになります。しかし、温度管理が難しいので上級者向けといわれています。
そんな冷燻法を家でやるのは難しいと思いますが、もし作ってみたい!と思うのであれば大型のダンボールで作ったスモーカーを使うといいです。そうすると、ダンボールが大きい分温度が上がりにくくなり、温度調節がしやすいです。
この冷燻法は、チーズ、ジャーキー、タマゴを作る際に使うとより美味しさが増します。 |
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温燻法 - ヘルシーな燻製が食べたいときに |
口当たりが柔らかくジューシーな仕上がりになり、塩分が少ない温燻法。肩ばら肉の燻製はこの方法で作られていて、温燻法は最も一般的な燻煙法です。冷燻法で紹介されているものでも、大抵のものはこの燻煙法で作ることが出来ます。乾かしながら燻すというのが特徴で、実際に温燻法を行うときは30℃ぐらいの温度から徐々に温度を上げ、最終的に70~80℃くらいの温度にしていくと良いです。また、冷燻法や熱燻法とは違い、季節を気にせずダンボールスモーカーで作ることが出来ます。ですので、この方法は初心者向けの燻煙法だといえます。他の燻煙法よりも健康的で、完成時間は冷燻法よりも早く、1~3時間で出来ます。
しかし、燻しても食材の中に50%ほど水分が残っているため保存性は低く、真空パックに入れて冷蔵庫で保管したとしても保存期間は2~4日、最長でも1週間です。
この温燻法はロースハム、ベーコン、ソーセージ類などの食材に適しています。 |
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熱燻法 - 短時間で燻製が出来てしまう |
香ばしい味に、あぶったような風味が口の中に広がる熱燻法。食材を燻しながら焼いているような感覚で加熱調理も出来ます。名前の通り他の燻煙法よりも温度が高く、80~140℃で燻製します。小型のダンボールスモーカーが最適です。ですが、温度が高く燃えやすいので、火がスモーカーの中に入らないようにすることが大切です。そして、熱燻法のここがすごいところ。なんと、30分~1時間で完成してしまいます。他の燻煙法よりも早く出来てしまうのです。しかし、水分が全然蒸発しないので保存性は全くありません。せいぜいもって2日程度といえます。ですので、完成したら早めに食べるようにしましょう。
そんな熱燻法に適する食材は、スモークドビーフ、鶏肉、ホタテ、小魚類です。 |
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進化した燻煙法 |
冷燻法、温燻法、熱燻法以外にも燻煙法が存在します。それは、速燻法と液燻法です。どちらも食品の大量生産のために編み出された方法です。そのため、コンビニに置いてあるようなお酒のおつまみなどは大体この方法で作られていることが多いです。速燻法は燻煙中に含まれる成分を化学的に作り出して液体にし、液燻法は木酢を精製して作った液を使い、それぞれ食品に吹きかけたり、漬け込んだりする方法です。 |
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