企業・団体による対策


製造段階での対策

事業系食品ロスのうち、最も多くの割合を占める製造段階でのロスを減らそうと、
規格外品や余剰品を廃棄せずに有効活用する動きが広まっています。
形や数がふぞろいの商品を安く売られたり、規格外の製品が加工され新たな商品として販売されています。


また、新たな容器包装資材の開発や、パッケージの構造の工夫をすることによって
食品の保存能力を高め、賞味期限の延長等に取り組んでいる会社もあります。



製造段階における食品ロスの現状をみる

卸売・小売段階での対策

1/3ルールの見直しが行われています。
セブンイレブンや東急ストア、イオンマーケットなどは納品期限を緩和(または予定)しています。
国は、こういった商習慣の見直しに取り組む食品事業者を募集し公表することや、
2021年には「全国一斉商慣習見直しの日」を設定するなど、3分の1ルールの見直しを呼びかけています。

卸売・小売段階における食品ロスの現状をみる

コンビニの対策

コンビニでは、以下のような対策がとられています。

コンビニでの食品ロスの現状をみる

外食産業における対策

飲食店によって行われている対策の一つとして、仕込み量の予測があげられます。
店が原材料を発注する際、前の週の 売れた商品名、商品の価格、商品の個数、
購入時間帯などのデータを活用し、適切な出荷量を予測しています。

また、 食品ロス削減に取り組んでいる飲食店では、食事の提供量の見直しが行われています。
提供される食事の量を顧客が選べるようにしたり、最初に提供する量を減らしておかわりを無料にする、
量の少ないサイドメニューや、単品のメニューを採用したりすることで、顧客による食べ残しの量を削減しています。

また、飲食店は原材料の生産者、食品の再生利用事業者等と協力しリサイクルループを形成することで、
廃棄される予定だった食品をドライエコフィード(飼料の一種)へと加工し活用しています。

外食産業における食品ロスの現状をみる

外食産業でも、私たちの知らないところで
食品ロスへの様々な対策がとられていたんですね。



そうじゃよ。
一部の飲食店では、さらにユニークな工夫がみられるところもあるのじゃ。



食品ロスへの独特な工夫・対策が見られる飲食店

マクドナルド
マクドナルドでは、バーガー類・ドリンク・ポテトなどの商品が様々なサイズで用意されているため、
客自身が食べ切れる量を選ぶことができます。
食べ切ることができなかった場合には、持ち帰ることができるよう、紙袋などをもらうことができます。

また、マクドナルドでは、客の注文を受け取ってからバーガー類を調理する
「MFY (Made For You)」というオリジナルのシステムを採用しています。
2005年に全ての店舗でのシステムが完了し、食品廃棄を可能な限り削減すると同時に、
客ができたてのおいしさを味わうことができるようになりました。
MFYシステムの導入前と比較すると、完成品商品の廃棄は半分以下となり、食品ロスの削減につながっています。


参考文献:
・食品リサイクル推進協議会 -「リサイクルループ構築について」(https://www.shokurikyo.org/information/72.html)
・キューピー -「食品ロスの削減・有効活用」(https://www.kewpie.com/sustainability/eco/resources/)
・山崎製パン -「食と環境への取り組み2019」(https://www.yamazakipan.co.jp/shakai/kankyou/pdf/2019/kankyou2019.pdf)
・キッコーマン -「キッコーマンの取組」(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000761521.pdf)
・森永乳業「森永乳業 サステナビリティレポート 2019」(https://www.morinagamilk.co.jp/sustainability/pdf/2019/mn_sus2019_10.pdf)
・朝日新聞 -「コンビニは食品ロス削減にどう取り組んでいるの?」(https://oshihaku.jp/nenkan/page/14376920)
・FoodTechHub -「コンビニにおける食品ロスの現状と各社の取り組みを紹介」(https://foodtech-hub.com/foodtech/food-loss/1410/)
・JAグループ -「食品ロス削減へ"3分の1ルール"見直しなど経営層に強力要請へ 子ども食堂などへの寄附推進も」(https://www.jacom.or.jp/ryutsu/news/2022/09/220913-61538.php)
・農林水産省 -「外食における食品ロス対策」(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/170516.html)
・マクドナルド -「Made For You」(https://www.mcdonalds.co.jp/sustainability/environment/madeforyou/)

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