行われている対策
自分たちなりの対策を考えるために、インタビューを行って得られた情報に加え、現在組織委員会によって考案・実施されている対策について調べました。
参考:東京2020に向けたアスリート・観客の暑さ対策に係る関係省庁連絡会議(第2回)
◎舗装技術
・保水性舗装
…舗装のすきまを保水材で満たし、それに吸収させた水が蒸発するときに発生する気化熱によって路面の温度を低くする舗装。
・遮熱性舗装
…表面で光を反射させて路面の温度が上がることを抑える舗装。
→マラソンコース等での整備に向け検討されています。
◎座席空調の設置
…観客席に座席空調を設置し、座席後部からの冷気で座席のまわりの温度を一定程度下げることができます。
→実験では、空調なしではWBGT(熱中症の危険度を示す指標)は31℃以上でしたが、空調ありではWGBTが31℃未満となっていました。(室内温度設定は28℃)
◎遮熱塗料・フィルムの建築物への活用
…遮熱塗料には約2割の温度を低くする効果が認められている。また遮熱フィルムは、屋内に入ってくる熱を減らす効果があります。
→もともとある施設にも簡単に活用することができ、即効性のある暑さ対策として効果を発揮します。
◎気化熱を利用した高機能繊維素材の活用
…気化熱による冷感素材、また熱伝導率・熱拡散率の高い素材を使うことにより、体温の上昇を抑えることができ、高い冷感性も得られます。
→高機能繊維を使った衣料による選手のパフォーマンスの向上や、ボランティアスタッフの体調を保つなど、とても暑い環境下での活動において優れた効果が期待されます。
◎緑化による緑陰形成
…本数の多いイチョウは5年の剪定(せんてい)サイクルになっており、東京オリンピック時に剪定後3年くらいになるよう、計画が進められています。
→緑化は、まちを代表するシンボルロードとしての風格の形成や、にぎわいのある空間を創る際の休憩の場の形成、歩道と車道が一体となった景観を形成するといった効果があり、歩行者等に日陰を提供することもできます。
…剪定とは樹木の枝を切ることで形を整えたり、風通しを良くしたりすること。剪定後1年目は緑陰が少なくなり、5年目は民地まで葉が生い茂る、見える範囲を狭めてしまう、といったデメリットがあります。
◎情報発信
…多言語で書かれた熱中症リーフレットによる呼びかけや、消防庁ツイッターなどでの注意喚起が行われています。
→英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語を中心に、たくさんの国からの観光客に対応できるよう、多言語での対策が進められています。