インタビューからわかったこと
私達の学校の卒業生であり、現在東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、「組織委員会」という。)で働かれている先輩にお話を伺いました。
(インタビューの様子)
わかったこと
・都道の対策、休憩所の設置、医務室の設置などハード面の対策は進んでいる
→マラソンコースとなる都道は遮熱性・保水性を持つように塗装が進められています。医務室は、各競技会場1つ以上は必ず設置されることになっており、選手村には選手村診療所も設置されます。
・IOC(国際オリンピック委員会)には暑さに関するプロジェクトがない
→今までのオリンピックでは、暑さ対策は重要視されておらず、今回の東京オリンピックの暑さはIOCにとっても異常レベルだといえます。
これは過去オリンピック開催地の開催年8月の気温と東京(2011)の8月の気温を比較した表です。
参考:5-12歩行者空間の快適性-東京オリンピック・パラリンピック準備局
この表から、東京は気温・湿度ともに高くなっていることがわかり、さらに9年たった2020年、注意する必要があると言えます。
・早期対処に当り、重症患者を減らすことが目標
→観客の以上にいち早く気付くことができるようにボランティアスタッフが巡回・呼びかけをするなど、対策を強化していく予定です。また医療ボランティアとして、医師会の人にも協力をしてもらうことも予定されています。
・選手や勤務に当る人には情報拡散できるが観客には伝わりにくい
→選手については、各国のオリンピック委員会に事前に情報発信を行うため、日本の夏の暑さの厳しさを知ってもらうことができます。しかし観客については消防庁・環境庁などと連携して発信をしていくことしかできません。
・開催間近になると専用アプリが作られ、そこでは英語・フランス語・日本語で情報発信をする予定
→暑さについての発信を行っているページのリンクを貼ることで、アプリを利用する多くの観客に情報発信することが考えています。
つまり、他のオリンピック開催地に比べ、日本の暑さは特異的であり、今までになされていないような暑さ対策が必要だと言えます。また、熱中症患者を減らすためのハード面の対策は進んでいることがわかったので、ソフト面での対策を強化していく必要があるのではないかと感じました。
私達が考えた東京オリンピックでの対策案を次のページで紹介します。