熱中症とは
◎熱中症とは
高温多湿な環境に、体が適応できなくなって起きる健康の障害の総称です。
〇熱中症の種類
熱中症は労作性(ろうさせい)と非労作性(ひろうさせい)の二種類に分けられます。
労作性熱中症は暑い場所で肉体労働やスポーツをすることによってかかる熱中症です。それに対して、非労作性熱中症は暑い場所で長時間過ごすことによってかかる熱中症です。
この二つはかかる原因や性別、年代に大きな差があります。
(平成26年度環境省熱中症に係る自治体等担当者向け講習会資料より作成)
〇熱中症の症状
熱中症には様々な症状があります。熱中症環境保健マニュアルによれば以下のような症状が出たら熱中症のサインです。
症状1.めまい・失神・立ちくらみ
これらは熱中症の代表的な初期症状です。熱失神と呼ばれます。炎天下で長時間労働やスポーツをすることで体温が上がることによって血管が広がり、脳への血流が悪くなることによって起こります。
症状2.筋肉痛・筋肉のけいれん・手足がつる
熱けいれんと呼ばれます。炎天下で長時間労働やスポーツをすることによって大量の汗をかいた後、水分補給のみを行い塩分補給をしなかった場合に起こります。
症状3.汗のかきかたがいつも通りでない
いくらふいても汗が止まらない、または暑いのに全く汗をかいていない、など汗のかきかたがおかしい。
症状4.体のだるさ・吐き気
熱疲労と呼ばれます。大量に汗をかくことによって、身体の水分が足りなくなると起こります。
症状5.体温が高い・ 呼びかけに反応しない
熱射病と呼ばれます。体温が上昇することによって、中枢機能が異常状態になり起こります。
〇なりやすい年代
このグラフは熱中症が原因で救急搬送された人の年代別割合を表したものです。約半数を高齢者が占めています。高齢者の熱中症は重症化しやすいことがわかります。
年代別の人口を踏まえると、高齢者のうち約150人に1人(0.605%)、少年のうち約250人に1人(0.425%)、成人のうち約500人に1人(0.207%)、乳幼児・新生児のうち約2500人に1人(0.049%)が救急搬送されていることがわかります。
(総務省消防庁熱中症による救急搬送人員数に関するデータより作成)
〇なりやすい場所・日
熱中症になりやすいのは、太陽が照りつける暑い日だけではありません。熱中症にかからないためには、どんな場所・どんな日に注意したらいいかを知り、対策することが大切です。
・日差しの強い場所
・炉などの熱い物体が近くにある場所
・空調のきいていない室内
こういう日は注意! ・最高気温が30℃以上の日
・熱帯夜の翌日(夜間の最低気温が25℃以上)
・急に暑くなる日
・日差しが強い日
・湿度が高い日
・風が弱い日 (熱中症環境保全マニュアルより)