野菜・果物


世界のかんぶつの中の野菜・果物を紹介します。

デーツ<サウジアラビア、エジプト、イラン>
【デーツとは】
デーツはナツメヤシの実です。
【種類豊富なデーツ】
デーツは、熟し具合によって7種類以上に分けられ次のようにそれぞれ名前がついています。
《クァラール》
ナツメヤシの実がまだ緑色の状態のころは、水分が80パーセン以以上含まれています。この緑色の実が2週間ぐらいたつと水分が減り始め、黄色に色づいて糖分が急激に増えていきます。この時期の実を「クァラール」と呼び、新鮮な果物として生で食べられています。
《ルタブ》
クァラールの時期の後、木についている実は少しずつ水分が減っていき、糖濃度がどんどん増していきます。そして赤く色づくころには、水分の量が45パーセントまで減少し、やがて茶色っぽくなって少ししわが寄った「ルタブ」になります。
《タマル》
ルタブを過ぎても収穫せず、ヤシの木にそのままつけておくと、実の色はこい茶色に代わり、完熟した「タマル」になります。タマルの水分は20パーセント以下まで減少しています。
【保存食としてのデーツ】
デーツは、水分の量が24パーセント (相対湿度70パーセントの場合)以下になると、カビなどの微生物の影響を受けなくなります。砂漠の乾燥した気候でさらに干し柿のように干して自然乾燥させることで、翌年の収穫期まで保存することができます。
完熟したタマルは、甘みが強く、自然乾燥させてそのまま食べることが出来るため、携帯食品として最適です。

チューニョ<ペルー>
【チューニョとは】
ペルーのアンデス高地は、昔からジャガイモを主食としており、ジャガイモを保存するために、凍結乾燥という方法を使っていました。これは、一日の温度差が大きいという高地の気候を利用した方法で、夜間に凍結させた芋の水分を氷が解ける昼間に絞り出して乾燥させるというものです。
チューニョは、煮込み料理に使ったり、すりおろした粉をスープに入れたりして食べます。
【チューニョの作り方】
アンデスの標高4000m辺りでは、6月から7月が1年のうちでもっとも乾燥します。1日の気温の差も大きく、夜中は氷点下に冷え込みます。
そうした環境の下、収穫したばかりのジャガイモを野外一面にに広げ放置すると、夜のうちに芋は凍結します。翌日、太陽が昇ると、凍結した組織の間の氷が解けます。4日ほどこれをくりかえすと、いもの組織がやわらかくなります。
それを足でふみつけて、苦みを含んだ水分を押し出します。さらに同じことを何日か繰り返すと、水分がすっかり抜けコルク上の凍結乾燥ジャガイモが出来上がります。
これが、チューニョです。乾燥させたジャガイモは、水分が抜けて軽くなるので保存性が高まると同時に運びやすくなります。
【ボリビアの保存食】
ペルーの隣国ボリビアでも、よく似たジャガイモの保存食モラヤが食べられています。モラヤも夜間に野外で放置する点は同じですが、チューニョと違って昼の太陽の光にはさらさず、半年も水につけた後天日で乾燥させます。
チューニョと同様に、砕いた粉を粥に似たスープにして食べられています。
この地方では、さつま芋と同じように甘いいものオカ(カタバミ科の植物)やアニョ(のうぜんはれん科)など、じゃがいも以外のいもでも同じように乾燥させて保存されています。

干し椎茸<中国>
【干し椎茸とは?】
椎茸は、日光に当たるとビタミンDになる成分や抗がん作用のある物質を含んだ貴重な食材です。
シイタケを干すことで、生のものとは異なった味や香りが生まれます。中国料理には、干しシイタケは、炒め物や蒸し物、スープなどの材料としてよく使われます。
【中国のきのこ】
国土の広い中国では、キノコが育たない地域もあり、どこでも手に入るわけではありません。
そこで、昔から、キノコを乾燥させて保存性を高め、各地域に運んでいたのです。
【中国料理の干しシイタケ】
中国では、干しシイタケはシャンクーと呼ばれ、漢字では「香菇」と書きます。清朝(1616~1912年の中国の王朝)の宮廷料理にも用いられてきました。
【シイタケの栄養素】
干しシイタケは、現在は機械乾燥のものが増えています。機械で40℃~60℃の温風をかけ、1日で乾燥させています。そのあと天日干しするとビタミンDが増えます。ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を助ける重要な栄養素です。

ラペッ・トゥ<ミャンマー>
【ラペッ・トゥとは?】
日本ではお茶は飲むものですが、ミャンマーには、「飲む」だけでなく、茶葉を発酵させた漬物のような「食べる」お茶があります。ミャンマーの言葉で「お茶」のことを「ラペッ」と言いますが、この発酵させた食べるお茶を「ラペッ・トゥ」といいます。
ラペッ・トゥを作るには、茶葉を加熱した後、よくもんで樽に漬け込み、乳酸菌発酵させて、最後に乾燥させます。ナッツ類や干しエビなどと混ぜて、お茶請けとして食べたり、ご飯のおかずにしたり、サラダに入れたりします。

レーズン<アメリカ、オーストラリア>
【レーズンとは?】
レーズンは干しブドウのことですが、ブドウの塊という意味のラテン語に由来します。世界で最も古いドライフルーツ(乾燥くだもの)のひとつで、旧約聖書にもレーズンを使った食品が登場します。
【アメリカのレーズン】
アメリカのレーズンの主産地はカルフォルニア州です。8月中旬から9月中旬にかけてほとんど雨が降らないうえ、日中の気温が高いため、ぶどうの天日干しに適しているのです。
【オーストラリアのレーズン】
主産地は、ニューサウスウェールズ州とサウスオーストラリア州にまたがるマレー川流域です。3月中旬から4月中旬が収穫期ですが、この時期、週1~2回ぐらい雨が降るため、天日干しは短時間で行われます。
その結果、色の薄い金色に近いレーズンができるのです。
【天日で干すカルフォルニアレーズン】
アメリカ・カルフォルニア州のレーズンは、ほとんどが濃い茶色をした、ナチュラルシードというレーズンです。
8月下旬ごろ、手で積んだブドウを木と木の間に置いた紙のトレイにのせ、天日で乾燥させます。途中で一度裏返し、水分が16%まで減少したら手でそっと紙のトレイを丸め、さらに数日乾燥を続けます。
こうして、約3週間かけて天日干しすることで、ブドウは自然に濃い茶色になるのです。
【オーストラリアのサルタナレーズン】
古代ペルシャの都市名が由来と考えられているサルタナは、薄緑色をした甘い種無しブドウです。
これを乾燥させたサルタナレーズンは、金色や濃い茶色のものがあります。色の違いはブドウの乾燥のさせ方の違いによります。
レーズンを金色に仕上げるには、ブドウを天日で乾燥させる期間を短くして、機械で乾燥させます。



日本だけでなく、世界でも昔から「干す」「乾かす」という知恵が生み出されていたことが分かりました。
素晴らしい本に出会えて、本当に嬉しかったです。
引用させていただいた書籍は、『世界の保存食』で著作は谷澤容子様・編集はこどもくらぶ様です。