米粉の魅力

目次

1.米粉と小麦粉の栄養素比較

米粉と小麦粉の成分は一見すると大差がありません。

食品成分(100g中) エネルギー[kcal] たんぱく質[g] 脂質[g] 炭水化物[g] 灰分[g]※1
米粉 (うるち米) 356 6.0 0.7 81.9 0.3
[小麦粉]/薄力粉/1等 349 8.3 1.5 75.8 0.4
[小麦粉]/薄力粉/2等 345 9.3 1.9 74.3 0.5
[小麦粉]/中力粉/1等 337 9.0 1.6 75.1 0.4
[小麦粉]/中力粉/2等 346 9.7 1.8 74.0 0.5
[小麦粉]/強力粉/1等 337 11.8 1.5 71.7 0.4
[小麦粉]/強力粉/2等 343 12.6 1.7 70.6 0.5

※灰分とは無機質のことです。(日本食品標準成分表)[1] 薄力粉はケーキやクッキーなどの菓子類、中力粉は麺類に、強力粉はパンや打ち粉などに用いられます。[2]小麦粉の等級は数が小さいほど灰分が少なく色が白く、またたんぱく質の含有量も小さいです。

しかし、たんぱく質と必須アミノ酸がバランスよく含まれているかを示すアミノ酸スコア(0~100の値をとる)は米粉65、小麦粉41(米は精白米(加工前の状態)、小麦は中力粉)と米のほうが高く、いわゆる「良質なたんぱく質」が小麦よりも豊富であることを示しています。[2]

アミノ酸スコア
米(精白米):65 > 小麦(中力粉):41   |肉類など:100
→米粉のほうが良質なタンパク質を多くとれます

2.アレルギー

小麦には小麦アレルギーの原因となるタンパク質であるグルテンが含まれているが米には含まれていません。 日本国内で米のアレルギー事例は小麦のものに比べてかなり少なく、小麦が含まれている特定原材料にも米は含まれていません。[3]そのためアレルギーの心配をあまりせず食べることができます。

3.カロリー

油の吸収率が小麦粉に比べて低い
・小麦粉 38% ・米粉 21%
※鶏もも肉を揚げたときの油吸収率
      ↓
小麦粉だと高カロリーな揚げ物も米粉ならヘルシーにできます。

4.食感

アミロペクチン(米に含まれているデンプンの一種)の効果でもちもち食感になります。
小麦粉に比べて水を吸収しやすいため、しっとりとした仕上がりになります。

5.食料自給率向上への貢献

日本の食料自給率(カロリーベース)は令和4年の時点で、先進国の中で最も低い38%です。[4]
その食料自給率は、国産米粉パンを1人が1ヶ月3個食べると、1%アップできます。[2]
そして日本の最も一般的な主食の一つである小麦の多くを輸入に依存しています。小麦粉の麺やパンを米粉でできたものが広がれば、昨今の小麦の供給が不安定な状況でも、米粉製品で補えるということも考えられます。

出典

[1]:文部科学省, 食品成分データベース,
https://fooddb.mext.go.jp/search.html

[2]:農林水産省 九州農政局, 米・米粉をめぐる状況について,
https://www.maff.go.jp/kyusyu/seiryuu
/komeko/attach/pdf/230307-3.pdf

[3]:消費者庁,
アレルゲンを含む食品に関する表示, https://www.caa.go.jp/policies
/policy/food_labeling/food_labeling_
act/assets/food_labeling_cms201_230629_02.pdf

[4]:農林水産省, 食料自給率とは,
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/011.html

参考文献

日本米粉協会, 米粉とは,
https://www.komeko.org/what/

文部科学省, 食品成分データベース,
https://fooddb.mext.go.jp/search.html

農林水産省 九州農政局, 米・米粉をめぐる状況について,
https://www.maff.go.jp/kyusyu/seiryuu/komeko/attach/pdf/230307-3.pdf

消費者庁, アレルゲンを含む食品に関する表示,
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_230629_02.pdf

農林水産省, 食料自給率とは,
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/011.html