インタビュー

日本米粉協会様


日本米粉協会のアドバイザーであり、株式会社米ワールド21の高橋様よりお話をいただきました。

  

・米粉を酵素で処理し、より微細に粉砕する技術とはなんだろう
・α化粉とはなんだろう
・グルテンを加えた米粉の特徴は?
・米粉が小麦粉に比べて生産コストがかかるのはなぜだろう
・米粉は1日にどれくらい生産されているのだろう
・どうしたら農業人口は増やせるだろう?



キニナリ
自分
上記のメモのような流れで質問していきます。よろしくお願いします。
キニナリ
高橋様
はい。よろしくお願いします。
キニナリ
自分
まず、貴社のホームページに酵素を使って米粉を微細に粉砕すると書かれていたのですが、この技術は 具体的にはどのようなものですか?
キニナリ
高橋様
まず、米粉の製造方法はいろいろあり、次のような装置を使用して製造されます。気流式粉砕装置、ピ ン式粉砕装置(高速粉砕機)、胴搗式粉砕装置(スタンプミル)、挽き臼式粉砕装置(例:水挽粉砕機 )、ロール式粉砕装置、などが使用されていますが、酵素を使用する粉砕方法は気流式粉砕装置を使用す る製造法の一つになり、酵素によってお米の硬い細胞組織を分解することにより、お米の内部を紛質化さ せて、そのお米を空気の気流を利用する気流式粉砕装置にて粉砕する方法です。
キニナリ
自分
なるほど。つまり、酵素により粉砕しやすく、また、気流粉砕でデンプン損傷の少ない米粉を製粉でき るようになったということですね。
キニナリ
高橋様
      そうなんです。        
キニナリ
自分
では、次に「α化粉」について教えていただきたいです。
キニナリ
高橋様
わかりました。α化の反対にベータ化という状態がありますがご飯では生米や冷飯の状態の物を指し、こ れに対してα化とは、炊いたご飯や電子レンジなどで温め直した状態です。従ってα化状態の物は冷めると ベータ状態に変化してしまいます。α化粉とはα化状態のお米を乾燥粉末化したもので、α化粉に水を加え るだけでα化状態となるため、米粉の生地のつなぎなどに使用されます。
キニナリ
自分
そうなんですね。α化粉も必要不可欠な米粉の一種であることがわかりました。
キニナリ
高橋様
      では次の質問に移りましょうか。      

キニナリ
高橋様
どうしてグルテンを加えた米粉をつくるのか、米粉100%との違いは何か?という質問ですが、 実は、米粉100%でパンを作ろうとすると、高アミロース米の米粉や食品添加物の増粘剤を使用する場合 が多いです。しかし、大量に米粉パンを作る製パンメーカーにおいては、製造ラインで使用できる「米粉 +グルテン」が必須になります。工場で使用できる米粉であれば、小麦粉代替になり得ることになります 。もちろん、小麦アレルギーの方に対応した商品も必要ですが、それよりも重要なことは、米粉の国内消 費量を増やすことが、食糧自給率向上のためにも重要だと考えています。「米粉+グルテン」を小麦粉の 代わりに使用する、若しくは小麦粉の10%でも置換えて使用出来れば、米粉の国内消費量は一気に増加す ると考えています。
キニナリ
自分
そうですね。小麦のほぼ全てを輸入に頼っていると、他国で問題が発生した時に小麦が輸入できなくな ってしまうと思います。 「米粉の普及」の方法について私たちで話し合ったところ、給食に取り入れれば子供が小さい頃から米粉 に親しむことにつながると思いました。
キニナリ
高橋様
その通りですね。給食に取り入れることにより、子供の頃より米粉に慣れ親しむことは良いことだと思 います。各都道府県によっては、米粉パンを提供する地区もあるようです。しかし、米粉パンは連続ライ ンでは製造し難いこと、給食費の予算が少ないためにコストが高い米粉パンは提供し難いことなどの課題 があり、その対策が必要となっています。
キニナリ
自分
そうですね。小麦のほぼ全てを輸入に頼っていると、他国で問題が発生した時に小麦が輸入できなくな ってしまうと思います。 「米粉の普及」の方法について私たちで話し合ったところ、給食に取り入れれば子供が小さい頃から米粉 に親しむことにつながると思いました。
キニナリ
高橋様
その通りですね。給食に取り入れることにより、子供の頃より米粉に慣れ親しむことは良いことだと思 います。各都道府県によっては、米粉パンを提供する地区もあるようです。しかし、米粉パンは連続ライ ンでは製造し難いこと、給食費の予算が少ないためにコストが高い米粉パンは提供し難いことなどの課題 があり、その対策が必要となっています。
キニナリ
自分
そうなんですね。米粉を普及するためには多方面のアプローチがとても大切であるということがわかり ました。
キニナリ
高橋様
そうなんです。米粉が小麦と比べて価格が高くなってしまう理由は何か?という質問ですが、業務用の 場合そもそも日本各地に米粉の問屋が広がっておらず、例えば柏で米粉を使おうと思ったらその米粉は 他の地域などから運んでこなければいけません。このように米粉の流通形態は小麦のように整っていませ ん。ですが、工場生産価格は米粉と小麦でそんなに差はありません。しかし、小麦が大量製粉なのに比べ て米粉は少量製粉です。そのため、1キロの米粉と小麦の価格を比べるとどうしても米粉の方が高くなりま す。また、加工の費用も米粉の方が高いです。この現状を変えるためには米粉の需要が高まっていること をパン屋さんやスーパーに知ってもらうことも必要です。明日からもみなさんが取り組めることとしては 近くのパン屋さんに行って「米粉パンありますか?」ということです。このような活動が広がると、生産 者側も米粉の需要が高まってきたことを知り、米粉を使った商品がもっと出回るようになるかもしれませ ん。
キニナリ
自分
なるほど〜。明日からパン屋さんに質問することは私たちにもできそうなことです!
キニナリ
高橋様
それでいうと農業人口を増やすにはどうすれば良いかということも同じことだと思います。国民が自分 たちの食糧について関心を持ち、食の将来について考えて、国民全体で食料自給率の問題意識を共有する ことが大切です。
キニナリ
自分
そうだと思います。農家という作物の供給基盤をもっと国民が考えるべきだと思います。 本日はお忙しい中たくさんの質問に答えてくださってありがとうございました。

高橋様をはじめ、日本米粉協会のみなさま、ご協力ありがとうございました!