インタビュー
稲作本店様
農家さんでありながら、米粉の製粉、商品の開発、販売まで行っている稲作本店様にインタビューさせていただきました。
なぜ米だけでなく米粉や米粉を使った商品まで生産することにしたのですか?
お米は、年々消費量が落ち込んでいて、夫婦共働き世帯が増えて忙しい毎日になってきており
「炊く」という行為自体が面倒・時間がかかる欠点があるんだ。
このため、農家が「お米を食べてほしい」と言っても、なかなか消費量が増えない。
一方、米粉の商品や、ポン菓子、甘酒などの商品は、無添加志向の消費者や、
グルテンフリーを求める方々にとって新しい選択肢となっていて、世界的にもマーケットが広がっている。
このことから、「米粒の販売」から「お米関連製品の販売」へ向かうことで、未来の可能性を考えていけると思っているよ。
大きく分けて3つあるんだ。
1.高齢化・担い手不足により、地域全体で生産の基盤が弱体化してきていること
2.作業機械投資(トラクター、コンバイン、田植え機など)が高額で、新規就農希望者が手を出せない。
また機械を買い替えられない事態になっていること
3.お米消費が伸び悩み、米価が上がりにくく、儲かりにくいこと
米粉用米の生産に関して、国からの支援はありますか。
米粉への支援策はここ数年で強化されているが、地域全体での取り組みが必要だったり、
大手製粉会社向けの支援策がほとんどで、一農家が利用できるものがない状況なんだ。
最近、米粉の需要に変化を感じたことがあれば教えてください。
週に一度(土曜日)直売店をやっているが、
毎週のように小麦が苦手というお客様が来られ、
米粉の商品への興味・関心があることを肌で感じているよ。
米粉自体と米粉を使った商品のどちらのほうが売れ行きは良いですか。
米粉を使った商品の方が圧倒的に売れるよ。
スーパーの棚に並べられるような大手製粉会社と勝負になるため、
稲作本店としては粉を粉のまま販売することはあまり積極的ではないかな。
米粉のカヌレなどの商品を開発する際に気を付けていることがあれば教えてください。
・お客様が、買ってすぐに食べられる商品であること
・賞味期限がある程度確保できること
・人気がある(馴染みのある)商品であること
・おいしいこと。(小麦と比較して、それ以上においしいこと)
・お米の特色・魅力が伝わること
米粉へと製粉する際に、どのような製粉機を利用しているのですか?
(乾式か湿式、小型か大型かなど)
気流式製粉(湿式)で米粉専用の製粉工場に製粉してもらっているよ。
米や米粉の需要を増やすために何か取り組んでいることがあれば教えてください
開かれた農場にしていこうと、消費者と生産の場面を結んだり、対話したりできるよう、
田んぼでカフェや田んぼでCAMPを開いたり、直売所を開いたり、体験イベントを開催したりして、
お米や田んぼの存在がこの国にとって大切であることを伝え、感じていただく場をつくっているよ。
まず、生産の現場に行ってみてほしい。
お米だけでなく、果物・野菜・魚介類、お肉などの生産のリアルを感じて、
マスコミなどでは報道されない本当のことを自分の目で確認してもらいたい。
その上で、これからの食や農業がどうなっていけば良いのか、自給率や農業人口の推移などから見て、
若い皆さんが何が課題と考えて、どうして行けばいいのかたくさん議論してほしい。
答えは、未来を担う皆さんと農家が協力して考えていく必要があると考えています。
稲作本店様、ご協力ありがとうございました!
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