動物への影響

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動物の脳波について

 動物は人間と同じく脳を持つ動物なので可聴音に対する認知活動のメカニズムは同様であり、特定の周波数を聴くと人間と同様に脳波が変動すると考えられています。 実際に、飼養しているチンパンジーに可聴音を聴かせて脳波を測定した結果、脳波が変動して人間と同様の認知活動を行うことが確認されたと東京大学の実験結果に示されています。

脳波について

 脳波というのは脳が活動するときに発生する非常に微弱な電気信号のことです。1875年に犬、サル、ウサギから記録することに成功しており、1920年から人間から測定可能になりました。

人間の脳波は大きくγ波、β波、α波、θ波、δ波という5つの脳波に分けられます。

・γ波 30Hz〜70Hz
興奮時、強いストレス状態
・β波 14〜30Hz
覚醒状態(通常時)、集中時、緊張時、活発な思考状態
・α波 8〜13Hz
リラックス状態、閉眼時。目を開けて精神活動を行うと抑制
・θ波 4〜7Hz
眠気があるとき、深い瞑想状態時、レム睡眠時
・δ波 4Hz未満
徐波睡眠時、ノンレム睡眠時

効果‐リラックス効果‐

 犬に音楽を聞かせる実験ではクラシック音楽を聞いた犬は穏やかな表情になり寝そべって休んだという結果が出ています。 2020年にはシェルターや動物病院などストレスの多い環境下にいる犬にクラシック音楽を聴かせると横になったり、寝たりする時間が長くなったりするなど鎮静効果が見られたと、9報の犬の音楽療法に関する研究について横断的に見直し、考察したレビューの発表で言われています。

 アメリカのウィスコンシン大学の心理学者達からなる研究チームにより、自然音を猫に聞かせることでリラックスさせることができるとの報告もされています。

効果‐ストレス軽減‐

 1997年に家畜である乳牛においてクラシック音楽を聞いている牛の方が機械音だけが聞こえる牛よりもストレス行動が少なく、より多くの牛乳を出すという乳牛の福祉と利益の両側面にプラスに働くという研究結果が出ています。 また、犬にレゲエを聴かせたらストレスが低下したという研究結果も出ています。  さらに、驚くほどストレスに弱くストレスは治療にかなりの費用を要する胃腸障害につながると言われている馬のために心地よい音域内で曲が作られたりもしているのです。

近年シェルターや研究室などにいる動物のストレスを軽減するために、どんな音楽を利用すればいいのかという研究に関心が高まっています。

音楽と動物の関わり

 音楽を理解でき、ストレスの多い環境下における動物達。音はリラックス効果やストレス軽減等良い影響がある反面、逆に聞かせる音によってはストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が増加してしまいます。 犬や猫、牛の他にもサル用の音楽を創り、それを聴かせたことによって食欲が増したという研究結果もあるくらいです。音が与える動物への影響は未知数です。

 また、動物にも人と同じように音楽の好みがあるとされており、動物のための作曲家もいます。 今現在でも音楽と動物の関わり、特に音楽療法をを応用することが期待されて多くの研究が進められているこの話題、皆さんも触れてみてはいかがでしょう。



答え 5つ(γ波、β波、α波、θ波、δ波)





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