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みなさんは、聴力の良い動物と聞かれて何をイメージするでしょうか。犬や猫という方も多いかもしれません。これは何を定義付けるかでも変わりますが、実は蛾が一番だという説もあります。 驚いた方も多いでしょう。このページでは、そんな動物の聴力について見ていきます。
哺乳類の聴力
実は、脊椎動物のなかで最も聴力が高いのは哺乳類と言われています。たくさんの生物の種類があるなかで耳の構造は基本的に人間と同じですが
種類によって聴力は様々です。
最も高い音を聞けるのはコウモリで、なんと400,000Hzの超音波を聞くことができます。人間は子供で210,000Hz、お年寄りだと500,000Hzなので比になりません。
次いでイルカが200,000Hzで、犬、猫と続きます。コウモリやイルカは、超音波でコミュニケーションをとっており、これは暗闇や水中でも届きやすくものに妨害されにくいため
用いられています。
鳥類の聴力
鳥類の耳の構造は、少しだけ哺乳類と変わっていて、まず耳殻(普段耳と言う部分)がありません。
確かに言われてみると、鳥に耳はついていませんよね。しかし、音は聞こえています。
実は鳥の耳は羽毛に隠れて目の横側にある小さな穴です。この穴のことを耳孔といい、
哺乳類と異なり頭全体を利用して音を聞いています。脳に伝わる蝸牛管などの仕組みは同じです。
鳥は一般的には人より聞こえる音域が狭いです。しかし、より精度に聞き取れる(小さい音が聞こえる)とされていて、
インコやオウムが言葉を覚えるのも耳がいいからといえます。また、フクロウなどは獲物を探すのに特化した
仕組みがあり、左右の耳が非対称につくことでより立体的に聞き取れるようになっています。フクロウは人間には聞き取れない0dBの音も聞こえます。
魚の聴力
魚に耳はあるのでしょうか。哺乳類などと違い体外に出た耳はありませんが、頭の中に内耳という器官があります。
しかし蝸牛管はなく、研究も少ないことから謎な部分が多いです。種類によっては浮袋を使いより効果的に内耳に音を伝えているとも言われています。
また、側線で音を聞くこともあるなど魚はいくつかの部位で音を聞くことができるとされています。
魚には声帯はありませんが、ホウボウやフグなどは浮袋を震わせて鳴き声を出します。
鳴く理由は威嚇や求愛のためですが、普段のコミュニケーションでも使われるかは研究段階です。
昆虫の聴力
最後に、昆虫についてお話します。昆虫の中でも、聴力を持つものと持たないものがいます。振動のみを感じるものもいます。そして、器官のある部位も様々で、
バッタやコオロギは脚、カマキリは胸、セミはは腹、ハチや蚊は触覚で音を感じています。
バッタやコオロギ、セミの耳の仕組みは私たちと同じよう鼓膜の振動を神経に伝えています。一方、ショウジョウバエなど
一部の昆虫の聴覚はこれとは異なります。これらの仲間が音を聞くのはジョンストン器官という部位です。この器官自体は、
多くの昆虫が持っていますが、ショウジョウバエなどはこれを耳として利用しるということです。音が流れたとき、器官内で
生じるたわみを感覚ニューロンが検知するという仕組みです。
昆虫が音を聞く大きな理由は、求愛と獲物の発見です。みなさんもご存知の通りコオロギやセミはオスが鳴いてメスを引き寄せています。
また、一部の昆虫は天敵から身を守るために音を聞いています。蛾は、コウモリが天敵です。なので、コウモリの出す超音波をいち早く聞き取れるように
とても高い聴力を備えているのです。
以下の表は参考として、色々な生物の聞こえる音域をまとめました。
答え 浮袋を震わせている