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まずは、日本が騒音というものに対してどのような認識を持っていたのか歴史を見ていきます。主に政治的な施策に基づいた歴史となっています。
日本人の価値観
みなさんもご存知かもしれませんが、日本人の美意識は豪華なものでなく緻密で繊細なものにあります。これは音に対しても同じで、静けさを重んじる傾向があります。
今でも秋に鳴く虫の声を聞いたり、森でそよ風にあたる木々のざわめきを聞いたりしますよね。
これらは、他人への思いやりの心を大事にするという日本人独自の感覚です。
実際、アメリカや中国、イギリスのニュース記事で日本人が静かを好むことについて考察しているものがたくさんありました。
しかし一方で、明治時代頃西洋では石造りやレンガ造りの家が多数でしたが、日本ではまだ木造がほとんどで、仕切りも障子など薄いものでした。
もちろん、このような環境は遮音性は小さく、音への意識も敏感になっていったと思われます。
生活騒音への政策
騒音には、人の生活によるものと工業によるものの2つに分類できます。ここではそれぞれわけて説明をしていますが、中にはどちらにも通ずる政策などもあります。
前述のように、日本人は昔から静寂を好み、音への意識が高かったと思われます。そして建物の遮音性も低く、江戸時代の末期頃には騒音が問題になっていたと考えられます。
違式詿違条例
では騒音への政策はいつからあるのでしょうか。それはなんと驚くべきことに明治時代までさかのぼります。
明治5年に違式詿違条例(いしきかいいじょうれい)というものが東京で制定されて、地方にも広がりました。
この条例の内容は、簡単に言うと軽犯罪を取り締まるもので、この三年後に制定される旧刑法よりも多くの国民にとって身近な規定でした。
この条例の中に、騒音に関する記述がありました。次の画像はは、実際の違式詿違条例の一部です。