騒音の環境基準
騒音については平成10年の環境庁の告示で次のように規制されています。まず、基本の型となる地域の分類がこちらです。
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(注)
1 時間の区分は、昼間を午前6時から午後10時までの間とし、夜間を午後10時から翌日の午前6時までの間とする。
2 AAを当てはめる地域は、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域とする。
3 Aを当てはめる地域は、専ら住居の用に供される地域とする。
4 Bを当てはめる地域は、主として住居の用に供される地域とする。
5 Cを当てはめる地域は、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域とする。
そして地方自治体がこの基準をもとに各地域を分類します。しかし、大きい道路などがあると必然的に音は大きくなってしまいます。
そのため、道路が多くある地域では特例としてに次のようになっています。
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また、細かい評価基準のルールとして以下のようなことが決められています。
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最後に整備達成の期間としては73デシベル以上の場所を最優先に、道路以外は「ただちに」道路は「10年以内」と定められています。
航空機騒音の環境基準
航空機騒音の基準は昭和48年に環境庁により発表され、このように定められています。
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(注)
1.環境基準の基準値は、次の方法により測定・評価した場合における値とする。
(1) 測定は、原則として連続7日間行い、騒音レベルの最大値が暗騒音より10デシベル以上大きい航空機騒音について、単発騒音暴露レベル(LAE)を計測する。なお、単発騒音暴露レベルの求め方については、日本工業規格 Z 8731に従うものとする。
(2) 測定は、屋外で行うものとし、その測定点としては、当該地域の航空機騒音を代表すると認められる地点を選定するものとする。
(3) 測定時期としては、航空機の飛行状況及び風向等の気象条件を考慮して、測定点における航空機騒音を代表すると認められる時期を選定するものとする。
(4) 評価は算式アにより1日(午前0時から午後12時まで)ごとの時間帯補正等価騒音レベル(Lden)を算出し、全測定日のLdenについて、算式イによりパワー平均を算出するものとする。
算式ア
i 、j及びkとは、各時間帯で観測標本のi番目、j番目及びk番目をいい、LAE,diとは、午前7時から午後7時までの時間帯におけるi番目のLAE、LAE,ejとは、午後7時から午後10時までの時間帯におけるj番目のLAE、LAE,nkとは、午前0時から午前7時まで及び午後10時から午後12時までの時間帯におけるk番目のLAEをいう。また、T0とは、規準化時間(1秒)をいい、Tとは、観測1日の時間(86,400秒)をいう。
算式イ
(注)
Nとは、測定日数をいい、Lden,iとは、測定日のうちi日目の測定日のLdenをいう。
(5) 測定は、計量法(平成4年法律第51号)第71条の条件に合格した騒音計を用いて行うものとする。この場合において、周波数補正回路はA特性を、動特性は遅い動特性(SLOW)を用いることとする。
2,環境基準は、1日当たりの離着陸回数が10回以下の飛行場であって、警察、消防及び自衛隊等専用の飛行場並びに離島にある飛行場の周辺地域には適用しないものとする。 (環境省HPより引用)
達成する期間としては飛行場の種類ごとに次のように定められていて、また5年以上の地域では中間目標を設定し段階的に行うように決められています。
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新幹線鉄道騒音の環境基準
新幹線鉄道騒音については、昭和50年に環境庁によって告示されました。基準値は次のようになっています。これも騒音と同様に各自治体が地域を分類しています。
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(注)
(1) 測定は、新幹線鉄道の上り及び下りの列車を合わせて、原則として連続して通過する20本の列車について、当該通過列車ごとの騒音のピークレベルを読み取って行うものとする。
(2) 測定は、屋外において原則として地上1.2メートルの高さで行うものとし、その測定点としては、当該地域の新幹線鉄道騒音を代表すると認められる地点のほか新幹線鉄道騒音が問題となる地点を選定するものとする。
(3) 測定時期は、特殊な気象条件にある時期及び列車速度が通常時より低いと認められる時期を避けて選定するものとする。
(4) 評価は、(1)のピークレベルのうちレベルの大きさが上位半数のものをパワー平均して行うものとする。
(5) 測定は、計量法(平成4年法律第51号)第71条の条件に合格した騒音計を用いて行うものとする。この場合において、周波数補正回路はA特性を、動特性は遅い動特性(SLOW)を用いることとする。
(6) 環境基準は、午前6時から午後12時までの間の新幹線鉄道騒音に適用するものとする。
また、達成の目標期間は次のように定められています。困難であったとしても家屋の防音設備を整えるなどをし、基準値を超えないように努められます。
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騒音規制法
最初の表でもある通り、騒音規制法は工場や事業場での騒音など主に事業者への規制をする法律です。そしてその規制は①工場や事業場における騒音の規制、②建設工事作業における騒音の規制、③自動車騒音の規制、④深夜騒音等の規制に分けることが
できます。ここからそれぞれを紹介していきます。
工場や事業場
騒音の規制は、「特定施設」と呼ばれる大きな音を発生させる機械がある工場や事業場を対象にしています。この特定施設の例としては、金属加工機械や空気圧縮機、送風機などがありあます。
そして、環境基準法と同じよう地域ごとに区分されていてそれぞれの以下の表のように規制されています。
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そして、第1種区域は、第1種低層住居専用地域及び第2種低層住居専用地域、第2種区域は、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域及び準住居地域、第3種区域は、近隣商業地域、商業地域及び準工業地域、第4種区域は、工業地域をそれぞれ指しています。
また、Aは、学校、保育所、病院、診療所、図書館、特別養護老人ホーム、認定こども園など特に騒音から保護されるべき施設の敷地の周囲50メートルの区域と、第1種区域、第2種区域の境界線から15メートル以内の区域を指し、Bはそれ以外の区域を指します。
建設工事作業
工事現場も、工場と同じよう「特定建設作業」というものに定められている場所が規制対象になっています。特定建設作業は政令で定められていて、杭打機やブルドーザーなど騒音を発するものなどがあげられます。
そして、以下の表のように基準が定められています。しかし、作業が一日で終わるものは対象外です。
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そして、第1号に掲げる区域は①良好な住居の環境を保全するため、特に静穏の保持を必要とする区域、②住居の用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域、③住居の用に併せて商業、工業等の用に供されている区域であって、相当数の住居が集合しているため、騒音の発生を防止する必要がある区域、④学校、保育所、病院、診療所、図書館、特別養護老人ホームの敷地の周囲おおむね80mの区域内
で、それ以外は第2号となります。
自動車
自動車は、環境大臣によって以下の表の通りに騒音の許容限度の基準が設けられています。
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そして、市町村はこの基準を超えていて、生活に支障をきたすと認めると「信号機や道路標識などの設置管理」や「交通整理、歩行者や車両などの通行の禁止」などの措置をとることができます。
深夜
深夜の騒音については、拡声器の使用や飲食店の営業などをかく自治体がそれぞれにあった必要な措置をとるよう定められています。柏市の例を次のページでご覧いただけます。
風営法
風営法は、第2次世界対戦敗戦後で混沌としていた1948年につくられました。この法律は公序良俗を保つために風俗業のお店を規制している法律です。風俗業とは次の部類のお店のことを指します。これは、カラオケなども含んでいます。
1.接待付き飲食店(キャバクラ、ホストクラブ)
2.低照度飲食店
3.区画席飲食店
4.まあじゃん屋、ぱちんこ屋等
5.ゲームセンター等
この法律の第15条で以下のように夜間営業時の騒音について規制されています。
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この法律に違反すると10〜80日の営業停止命令となります。そして、風営法施行令という政令の11条で基準となる数値が定められています。
これそって、各自治体が実際に地域などを分類したりしています。また、防音設備が整っているなど違反にならない特例もあります。実際の基準となる数値の表がこちらです。