日本語の文章を読む場合、横書きであれば必ず左から右に読み、縦書きであれば上から下へと読むのは当たり前ですね?
このように、文章を決まった方向へ一文字ずつ呼んでいくことで意味や情報をつかみます。
では、
DNAの場合はどのようにして遺伝情報を得るのでしょうか?
DNAの場合では、
DNA分子にある4種類の塩基が1つの「文字」にあたり、
塩基をつなぐ「てすり」の部分が遺伝情報を読み取る方向を決めています。
しかし、DNAの塩基も1個だけでは何の意味も持ちません。
それでは一体いくつの塩基がつながれば意味を持つようになるのでしょうか?
DNAはタンパク質を作る設計図として働きます。
しかし、
タンパク質は
20種類のアミノ酸が1本の鎖状につながった分子です。
そのため、DNAは20種類のアミノ酸の中から特定のアミノ酸を選び出し、
繋げていくという役割を果たさなければならない。
しかしDNAの塩基は4種類しかないので、塩基1個だけでは特定のアミノ酸を指定することはできません。
2個セットにして考えても、4×4=16通りでまだ20種類に足りません。
なので、塩基を3個セットにして考えると、4×4×4=64通りとなり20種類に十分になります。
塩基3個の並び方がひとつの単語として意味を持ち、特定のアミノ酸を選んでいます。
DNAの遺伝暗号を理解する上で重要なこの組み合わせを「
トリプレット」といいます。
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