クローン羊・クローンヤギ・クローンマウスなど様々な動物の体細胞クローン作りが成功したとなると、
次はクローン人間がつくられる番なのだろうか。
ドリーを誕生させたウィルムット博士は、
「
クローン人間作りは禁止すべきであるが、技術的には2年以内にクローン人間をつくることができます」
とイギリスの議会で衝撃的な発言をしました。
クローン羊ドリー誕生直後から、クローン人間のことは懸念されてきました。
みなが口をそろえて「
クローン人間は絶対に許されない」と強く言います。
しかし、1998年11月に韓国でヒトの細胞を使った初のクローン実験が行われました。
ソウルの大学医療院の
李普淵助教授が、ヒトの体細胞の核を未受精卵に移植し子宮に戻す直前まで育てた実験です。
李助教授は「不妊治療などの医療目的のため」だと主張しましたが、
発生した細胞を子宮に戻したとしたら、クローン人間ができてしまったかもしれないだけに、国内外から批判を受けました。
クローン人間禁止法
ヨーロッパでは、
体細胞クローン人間作りを禁止する法律ができ、違反者には厳しい懲役刑や禁固刑が課せられるようになりました。
フランスでは20年以下・ドイツでは5年以下・イギリスでは10年以下の懲役が定められました。
日本でも文部科学省が、「
人に関するクローン技術などの規制に関する法律(
クローン人間禁止法)」をつくり、
違反者には懲役または罰金の刑事罰を課するとしました。
認められてる行為 |
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クローン技術による可能性
「クローン人間は容認できないという」ことは、
世界保健機構(WHO)や
ユネスコなどが宣言をしている。
しかしながら、「
不妊治療としてなら問題がないのでは?」と考える人が多数いるのも確かです。
クローン人間をつくることは生命倫理の観点から好ましくないのだが、この技術によって可能性が広がろうとしているのも確かであります。
下の表は、クローン技術が人に適用した場合の可能性を書き示したものです。
子供に恵まれない不妊症の夫婦が、どちらかの体細胞を使うことで子供を誕生させることができる。
自分のクローンを作っておくことで、そのクローンから必要な臓器を移植することができる。
クローン技術を用いて、ヒトの発生過程の研究や寿命についての研究ができるのでは?
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