先ほど説明した、
まず、患者さんが多くいる家族の方から、血液を少しもらいます。
そして、その血液のリンパ球のDNAを取り出して、患者さんにだけ見られる遺伝子のパターンを見つけ出すのです。
この方法で、もしも原因遺伝子が見つかったとします。
見つかった場合に、この遺伝子がおかしくなるとこの病気になる、というようなことが分かったとしても
病気になる仕組みやその遺伝子がどのような働きをしているかについては、なかなかわかりません。
それに、
原因遺伝子が見つかったとしても、治療法が直ぐに開発されることもあまりありません。
遺伝子診断は、
結果が正常であっても、「完全にその病気にならない」とは言い切ることができません。
しかし、
結果が異常だとすれば、「確実にその病気になる」と宣言できるのです。
もし今、あなたが遺伝子診断で「40歳になったら
アルツハイマー病になりますね」と言われたらどうしますか?
現段階では、アルツハイマー病に対する治療法や予防法はありません。
今知ったとしても、治す方法のない病気だとすれば、知っても怖いだけです。
*アルツハイマー病*
脳の神経細胞が極端に減っていくため、脳の機能が低下し、記憶力や判断力が著しく衰える病気
常に進行していることが特徴です
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