ゲノムとは、簡単に考えると
遺伝子全体のことです。
遺伝子情報は、
グアニン(G)・アデニン(A)・チミン(T)・シトシン(C)という4種類の塩基の並び方によって示されているため、
遺伝情報の解析の出発点は、この塩基配列を明らかにすることなのです。
こうした研究を
ゲノム計画といいます。
これまで、遺伝子の関与がまったく知られていなかった病気や心の問題まで含めて遺伝子の働きの全貌を明らかにするとなると、
ゲノムを隅から隅まで調べつくしてしまう方がむしろ早いという考え方になります。
全貌が明らかになれば、あらゆる遺伝病の診断法や治療法の開発も可能になるし、予防の可能性も出てきます。
という訳で、
「ヒトゲノム計画」が発足したのです。
ゲノム計画の今後の見通しとしては、DNAの塩基配列がほとんど明らかになると思われます。
そのようになると、これまでまったく存在が知られていない遺伝子でも、
「塩基配列からみた遺伝子があるはずだ。」ということで、見分けられるようになるでしょう。
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